カール・バラー

カール・バラー：音楽と友情の軌跡

カール・バラー（Carl Barât、1978年6月6日 - ）は、イギリスの才能あふれるミュージシャンです。彼はダーティ・プリティ・シングスのフロントマン兼リードギタリストとして知られていますが、それ以前には、伝説的なインディー・ロックバンド、ザ・リバティーンズでピート・ドハーティと共にフロントマンを務め、音楽シーンに大きな足跡を残しました。

幼少期と出会い

1978年、カールはイングランドのベイジングストークで生まれ、ハンプシャー州ホイットチャーチで育ちました。幼少期は離婚した両親の間を行き来する生活を送りました。父親は軍需工場で働き、母親のクリッシーはコミューン生活を送りながら、核兵器廃絶運動などの平和運動に参加していました。このような環境が、彼の音楽性や思想に影響を与えたことは想像に難くありません。

1996年、カールはブルネル大学で演劇を学び始めました。大学でピート・ドハーティの姉、エイミー・ジョーと知り合い、それがきっかけでピート本人と出会います。最初の印象こそ良くなかったものの、二人はすぐに意気投合し、強い友情を育んでいきました。この出会いが、後のザ・リバティーンズ結成へと繋がります。

ザ・リバティーンズ時代

カールとピートは、ジョン・ハッサール（ベース）、ゲイリー・パウエル（ドラム）を加え、ザ・リバティーンズを結成しました。カールとピートはリードギター、作曲、ボーカルを分担し、バンドの音楽的な中心となっていきます。2002年にリリースされたファースト・アルバム『リバティーンズ宣言』は、批評家から高い評価を受け、バンドは一躍注目を集めました。

しかし、カールの才能と成功の裏で、ピートの薬物依存が深刻化していきます。2003年、カールはピートにバンドのツアーへの参加を見送るよう要請せざるを得ませんでした。ピートはカールのフラットに侵入し盗みを働き、逮捕されます。その後、カールとピートは和解し、ピートの釈放後には彼を温かく迎え入れました。しかし、ピートの薬物問題は再発し、カールとの関係は悪化の一途を辿ります。セカンド・アルバムの制作中には、二人の間にボディガードが必要となるほどでした。

2004年、カールはついにピートをバンドから追放します。ピートはベイビーシャンブルズを結成し、ザ・リバティーンズは事実上解散となりました。

解散後：新たな道へ

ザ・リバティーンズ解散後、カールはソロ活動を開始し、2005年にはヴァーティゴ・レコードと契約しました。彼はクライアントのシングルにボーカルとして参加したり、自身のクラブイベントを主催するなど、多岐にわたる活動を展開します。

2005年、彼は耳の腫瘍除去手術を受け、聴力の一部を失いました。しかし、彼は音楽への情熱を失うことなく、新たなバンド、ダーティ・プリティ・シングスを結成します。

ダーティ・プリティ・シングス

2005年、カールは元リバティーンズのドラマーであるゲイリー・パウエル、アンソニー・ロッソマンド、ディズ・ハモンドらと共にダーティ・プリティ・シングスを結成しました。2006年にはデビュー・アルバム『ウォータールー・トゥ・エニウェア』をリリースし、全英アルバムチャートで3位を記録する成功を収めます。

その後もシングルをリリースし、精力的に活動を続けましたが、2009年以降は目立った活動は見られません。

その他の活動

カールは音楽活動以外にも、テレビ番組の相談役を務めたり、映画に出演するなど、幅広い分野で活躍しています。2008年には、映画『Telstar - The Joe Meek Story』でロック・シンガーのジーン・ヴィンセント役を演じました。

使用楽器

ギター: ギブソン・メロディ・メイカー
アンプ: VOX AC-30
* エフェクター: Lol Fillet pedal、MXR Dyna Comp pedal

カール・バラーは、その音楽的な才能とカリスマ性で、多くのファンを魅了してきました。ザ・リバティーンズ時代からソロ活動、そしてダーティ・プリティ・シングスに至るまで、彼の音楽は常に進化し続けています。今後、彼がどのような音楽を届けてくれるのか、目が離せません。

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