カール・フィリップ (ヴェルムランド公)

カール・フィリップ王子

カール・フィリップ王子（スウェーデン語: Prins Carl Philip, Carl Philip Edmund Bertil Bernadotte）は、1979年5月13日に生まれ、スウェーデン王国のベルナドッテ王朝に属する王室の一員です。彼は海軍少佐としてのキャリアを持つ他、スウェーデン王位継承権の第4位に位置付けられています。公的な称号はヴェルムランド公爵カール・フィリップ王子殿下です。

生い立ち

王子はスウェーデン王カール16世グスタフとその妻シルヴィアの間に生まれ、姉に王太子ヴィクトリア、妹にマデレーン王女という家族構成です。出生時、カール・フィリップ王子は王太子として認識されていましたが、1980年の王位継承法の改正によって、姉のヴィクトリアが第1継承権を持つことになりました。この法律改正の影響で、カール・フィリップは姉よりも下位の立場となる一方、英国王位継承では姉よりも高い順位となっています。

学校教育では、1999年に高校を卒業し、在学中はアメリカのコネティカット州にある私立学校に通ったこともあります。課外活動ではボーイスカウトに所属し、サッカー、水泳、スキーといったスポーツに積極的に取り組んでいました。特にスキーに関しては、スウェーデンの伝統的なレース「ヴァーサ・レース」に参加するなど、その腕前を証明しています。また、モータースポーツにも挑戦し、国内レースに出場することでも知られています。

軍歴とデザイン活動

2000年秋にはスウェーデンの沿岸砲兵連隊で兵役を終え、その後2002年に海軍に入隊しました。海軍の少佐としてキャリアを築いた後、彼はグラフィック・デザインにも興味を持ち始め、特に母親の60歳の誕生日を祝う際には、スウェーデン王立バレエによる『くるみ割り人形』のCDジャケットを制作しました。さらに、一般向けにカレンダーや食器のデザインを手掛け、それらも商品として販売されています。

王室としての公務と家庭

王子は父王や姉王太子の代理として、王室の公務にも積極的に参加しています。2014年6月には元モデルのソフィア・ヘルクヴィストと婚約し、2015年には結婚式を挙げました。彼らの交際は2010年から始まり、当初はソフィアの以前の職業から王室が反対する報道がありましたが、最終的には王室も承認し、結婚に至りました。結婚式には日本の皇室から高円宮妃久子も出席しました。

夫妻はアレクサンダー（2016年）、ガブリエル（2017年）、ユリアン（2021年）、そしてイネスという3男1女の子どもをもうけています。2019年10月には、王子の称号や爵位は保ったまま、「殿下」としての公的な地位を維持しつつ、国費からは外れる決定がなされました。これにより、王子一家は新しい形での王室としての活動を続けています。

カール・フィリップ王子の公務や家庭生活は、スウェーデン国民からも広く関心を集めており、彼らの生活は王室の重要な一部として位置付けられています。

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