ガゴメコンブ

ガゴメコンブ（Kjellmaniella crassifolia）

ガゴメコンブは、コンブ科ガゴメ属に属する褐藻の一種です。以前は Saccharina sculpera という学名で知られていましたが、現在は Kjellmaniella crassifolia が正式な学名となっています。

特徴

ガゴメコンブは、潮下帯、特にマコンブが生息するよりも深い場所に生育します。岩場に付着し、茎と葉からなる典型的な大型褐藻類（ケルプ類）の形態をしています。葉は分裂せず、全体に雲紋状の凹凸模様があるのが最大の特徴で、この外見が籠の目に似ていることから「ガゴメ」と名付けられました。地域によっては「ガメ」とも呼ばれます。

分布

日本近海では、北海道南部から下北半島（青森県）北側の沿岸に分布しています。また、樺太南部、間宮海峡付近、朝鮮半島東海岸北部にも分布が確認されています。

利用

ガゴメコンブは食用として利用されています。特に北海道函館市では、「がごめ飯」として産官学連携で商品化され、新たな名産品として提供されています。これは、刻んだガゴメコンブを米飯に混ぜ、海産物を載せたものです。

その他、とろろ昆布、おぼろ昆布、松前漬け、塩昆布などの加工食品の原料としても利用されています。近年では、フコイダンを豊富に含むことから、健康補助食品（サプリメント）としての需要も高まっています。フコイダンの種類が豊富であることも特徴で、健康食品以外に化粧品への利用も進んでいます。

韓国においても、ガゴメコンブの採取や食料としての利用があることが知られています。

函館市では、コロナ禍においてガゴメコンブ飴が無償配布され、北大の安井肇氏が考案したゆるキャラ「ガゴメマン」も配布に参加しました。

参考文献

谷敬志, 川越力, 松本世津子, 水田浩之, 安井肇「函館沿岸に生育する褐藻ガゴメSaccharina sculpera 胞子体の季節的消長と形態形成」『水産増殖』第63巻、第3号、235-244頁、2015年。

外部リンク

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 臼尻水産実験所 - ガゴメ
* 東邦大学 海藻データベース - ガゴメ Saccharina sculpera (褐藻 Brown algae)

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