ガザラの戦い

ガザラの戦い

ガザラの戦い（1942年5月26日〜6月21日）は、第二次世界大戦における北アフリカ戦線の重要な出来事の一つで、リビアのトブルクを巡る戦闘です。この戦いは、主に枢軸国軍と連合国軍の間で繰り広げられました。枢軸国軍はドイツ軍とイタリア軍からなるアフリカ装甲軍で、著名な指揮官エルヴィン・ロンメルが率いていました。一方、連合国軍はイギリス軍を中心に構成されており、中東方面軍の司令官クロード・オーキンレック大将のもと、ニール・リッチー中将が指揮する第8軍が展開していました。

戦闘の背景

1941年末のクルセーダー作戦での勝利後、イギリス第8軍はロンメルを追撃し、エル・アゲイラまで進軍しましたが、補給が難航し1942年1月には一時的な停滞を余儀なくされました。ロンメルは補給を充実させ進攻の準備を進め、イギリス軍の補給路の弱点を突く作戦を立てました。2月には連合国軍がガザラ・ラインを構築し、イギリス軍はその防衛強化に取り組みました。

戦闘の過程

ロンメルは偽装攻撃を行いながら第8軍の背後を突く計画を策定し、5月26日から本格的な攻撃を開始しました。この攻撃は連合国軍の防衛線に対し、側面からの迂回を意図したものでした。ロンメルはその初動の迅速さと巧妙さから着実に連合国軍の防衛を崩していきました。

5月27日にはロンメルの装甲部隊がガザラを突破し、連合国軍の一部を孤立させることに成功。しかし、ビル・ハケイムの自由フランス軍の抵抗によりロンメルは戦線が伸び悩むことになります。その後、各地で戦車戦が繰り広げられ、双方共に多くの損害を被りました。

結果とその後

戦局はイギリス軍にとって厳しいものであり、6月中旬にはロンメルが戦力を集結させ、エル・アデムへ侵攻。イギリス軍の機械化部隊は壊滅的な損害を受け、最終的にトブルクが陥落しました。連合国軍はこの敗北により、北アフリカの戦局が大きく変わったことを痛感しました。

ロンメルはトブルクを占領した直後に元帥に昇進しましたが、枢軸国軍の装甲部隊は大きな損失を被ったため、以降の戦闘に影響を及ぼす結果となります。さらに連合国軍は新たな戦力の投入を受け、再度の北アフリカ戦線での奪回戦の準備を整えました。

ガザラの戦いは、戦車戦の重要性や補給の難しさ、戦争における迅速な意思決定の重要性を浮き彫りにした、歴史的に意義深い戦闘でした。

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