ガッチナ

ガッチナの概要

ガッチナ（英: Gatchina）は、ロシアのレニングラード州に位置する都市で、州都でもあります。2021年の時点での人口は94,377人であり、サンクトペテルブルクから南方向に約45キロメートルの場所に位置しています。この都市は、サンクトペテルブルクとプスコフをつなぐ主要な交通路が通り、アクセスが良好です。

歴史の歩み

ガッチナの名前は、フィンランド語で「ハツィナ」と呼ばれ、古くは1499年に記録された「ホトチノ」という名前で知られていました。この地域は当初、ノヴゴロドの領土に属し、17世紀には周辺国による争奪の対象となりました。大北方戦争を経てロシア領となり、1710年にはツァーリ・ピョートル1世が妹に贈ったことがきっかけで発展を遂げました。

ガッチナ宮殿の建設

1765年、エカチェリーナ2世がこの地を購入し、彼女のお気に入りの軍人グリゴリー・オルロフに与えました。オルロフは1766年から1788年にかけて、600室を超える宮殿と広大なイギリス式庭園を築きました。この宮殿はその後も皇族によって増改築され、ロココ様式の華やかな内装が施されました。エカチェリーナ2世はこの宮殿と庭園を非常に愛し、彼女の死後は息子であるパーヴェル1世が所有しました。

皇帝たちの住まい

パーヴェル1世は、皇太子時代に自身の財産を使って宮殿を改築し、さらには庭園に多くの装飾を施しました。1796年には皇帝に即位し、ガッチナを公式な居所と定めました。その後もアレクサンドル2世、アレクサンドル3世がこの地で生活しましたが、近代化が進む中で電灯や水道などの設備が整えられました。

近現代の変遷

1900年のパリ万博では、ガッチナがロシアでも最も整備された都市として評価され、生活の質が高いことが知られていました。1917年、ロシア革命が勃発し、ガッチナ宮殿は国有財産となりますが、その後博物館として一般に開放されました。ガッチナの名前は何度か変更されましたが、最終的に1944年には元の名前に戻りました。独ソ戦においては、ガッチナはドイツ軍によって占領され、宮殿と庭園は大きな被害を受けました。

修復と現代のガッチナ

1976年から始まった修復工事により、宮殿は再生の道を歩んでおり、1985年からは一般公開が始まりました。最近では、ガッチナは2023年4月にレニングラード州の州都に指定され、今後は行政機能がガッチナに移る予定です。

経済と姉妹都市

ガッチナは国防産業が集積した地域であり、特にペテルブルク核物理学研究所が知られています。また、様々な国と姉妹都市関係を結んでおり、スウェーデンのエシルストゥーナや、フィンランドのエスポーといった都市があります。

ガッチナはその歴史的背景と美しい宮殿、庭園から多くの観光客が訪れる魅力的な場所です。

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