ノヴゴロド

ノヴゴロドの歴史と文化

ノヴゴロド（ロシア語: Но́вгород）は、ロシアの北西部に位置する重要な都市で、ノヴゴロド州の州都であり、人口は約21万人です。この都市は、イリメニ湖とヴォルホフ川の近くに位置し、ロシア最古の都市の一つであると言われています。中世にはノヴゴロド公国の中心地として栄え、1992年にはユネスコの世界遺産に登録されました。

大ノヴゴロドの名称の由来

「ノヴゴロド」という名前は「新しい土地」を意味し、ロシア国内には同名の都市がいくつか存在しています。これを区別するために、1998年以降は「大ノヴゴロド」（ヴェリーキー・ノヴゴロド）という名称が公式に使用されています。同じ名前を持つ都市としては、ニジニ・ノヴゴロドが有名です。

歴史的背景

ノヴゴロドの起源は古く、9世紀以前からスラブ人の集落が形成されていました。この地域は「ホルムガルド」と呼ばれ、古ノルド語で「川の島の土地」という意味です。都市の設立時期については諸説ありますが、854年か859年頃に設立されたとされています。考古学的な調査により、この都市は860年代から870年代にかけて火災による被害を受け、その後再建されたことが明らかになっています。

862年、スウェーデンのヴァイキングがノルマン人・ルス族として知られる集団に率いられ、ノヴゴロドを占有しました。彼らはスラヴ人を征服し、ロシア初の国家を築くこととなります。政治がキエフに移るにつれて、ノヴゴロドは商業と工業の発展を遂げ、自由都市としての特性を持つようになりました。ここでは、大主教や都市の貴族が中心となり、民主的な政体が敷かれました。

モンゴルの侵攻とその影響

1240年、モンゴル帝国が侵攻し、他の都市が被害を受ける中、ノヴゴロドは幸運にもこの攻撃を免れ、モスクワが台頭するまでの間、ロシアの中心都市としての役割を果たしました。商業の活性化が進む中で、ハンザ同盟の影響を受けたドイツ商人たちが訪れ、農産物や毛皮の取引を行っていました。

1478年、ノヴゴロド公国はモスクワ大公国に併合され、モスクワとの関係が悪化しました。イヴァン3世の時代には、商人たちに重税が課せられたため、ノヴゴロドの経済は厳しい状況に置かれました。また、1570年にはイヴァン4世によって大規模な粛清が行われ、町の住民が弾圧されました。

近代の変遷と世界遺産への登録

1598年のフョードル1世の死後、ロシアは大動乱の時代に突入し、ノヴゴロドはスウェーデンに占領されるなど、さまざまな歴史的事件を経ました。1703年にはピョートル1世がサンクトペテルブルクの建設を始め、以降、ノヴゴロドは商業的中心地としての地位を失っていきました。しかし、1862年にはリューリク即位1000周年を記念して、ロシア1000年記念碑が建立され、ノヴゴロドの歴史的価値が再認識されました。

ノヴゴロドは今もなお、多くの文化的資産と歴史的背景を持つ都市として、その重要性を保っています。姉妹都市にはフランスのストラスブールがあり、国内外から多くの観光客が訪れる場所となっています。

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