ガッツだぜ!!

『ガッツだぜ!!』の概要

1995年12月6日にリリースされた『ガッツだぜ!!』は、ウルフルズにとって9枚目のシングルです。この楽曲は東芝EMIから発売され、彼らの新たなブレイクへと繋がる重要な一曲となりました。

背景の影響

この楽曲の制作には様々な背景があります。ウルフルズは、小室哲哉がMCを務める人気番組「TK MUSIC CLAMP」に出演中、トータス松本がトークの際にtrfの「Overnight Sensation」に感銘を受けたエピソードから始まります。小室から「君たちにはディスコみたいな音楽が合っている」とアドバイスを受け、意欲的にディスコサウンドを取り入れて楽曲を制作しました。オリジナルタイトルは「ガッツだぜ、鼻息荒いぜ!」でしたが、メンバーが蔵出しされたデモを聴いた際にタイトルがユーモラスであることに気づき、全員一致で採用されました。

特にサビのフレーズ「ガッツだぜ」は、KC and the Sunshine Bandの「That's the Way (I Like It)」からインスピレーションを受けたもので、トータスは録音する際にもこのアイデアを忘れずにメモしました。しかし、アゲアゲな雰囲気の楽曲が自身の好みではないため、後に感じるギャップに苦労したと語っています。

1995年の社会的背景

この楽曲が発売された1995年は、日本国内で阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件など、社会に衝撃を与える悲劇が続いた年でした。このような暗いムードの中でトータス松本は、「世の中が元気ないから元気のある曲を作ろう」という意図ではなく、自分たちの頑張りを表現するために曲を作ったと語っています。

リリース後の反響

『ガッツだぜ!!』は、初めは低い順位でスタートしましたが、徐々に人気が高まり、最終的には6位にまで上昇しました。この曲により、ウルフルズは一躍知られる存在となり、シングルの中では2番目の売上を記録しました。さらに、この曲で彼らは初めて『NHK紅白歌合戦』に出場する機会を得ましたが、「モテたいハメたい」という歌詞が放送基準により一部変更されることになりました。

ヒットする前、彼らはシングルの売上が伸びず苦労していましたが、この大ヒットによってレコード会社からのボーナスを受け、新たな一歩を踏み出すことができました。メンバーは、いわゆるお祝いの席でその喜びを分かち合いました。

ミュージック・ビデオとジャケットデザイン

本楽曲のミュージック・ビデオでは、トータスが殿様の衣装を着用し、これは実際に志村けんの番組で使用されていた衣装であるという点も注目されています。また、民衆役として声優の森久保祥太郎が出演しています。このミュージック・ビデオは1996年度のSPACE SHOWER Music Video Awardsで「BEST VIDEO OF THE YEAR」や「BEST YOUR CHOICE」を受賞しました。

ジャケットデザインもユニークで、オレンジ色のサングラスのような形に仕立てられ、スケルトン仕様となっています。このような個性あるデザインが、視覚的にも楽曲の雰囲気を引き立てました。

まとめ

『ガッツだぜ!!』は、ウルフルズの音楽的成長を示す一曲であり、社会情勢の影響を受けつつも聴く人々に元気を与える存在として、今なお多くのファンに愛されています。さまざまなアーティストによるカバーも行われ、彼らの音楽の影響力を証明しています。

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