ガブリエル・テーラ

ガブリエル・テーラ：ウルグアイの政治家、弁護士、そして大統領

ガブリエル・テーラ・レイバス（1873年8月1日 - 1942年9月15日）は、ウルグアイの政治史において重要な役割を果たした人物です。彼は弁護士としてキャリアをスタートさせ、後に政界に進出し、ウルグアイ大統領（1931年 - 1938年）に就任しました。彼の治世は、世界恐慌という困難な時代と、ウルグアイの政治体制における大きな変革によって特徴づけられます。

弁護士から政治家へ

1895年に共和国大学を卒業後、テーラは弁護士としての道を歩み始めました。その後、政界に進出し、クラウディオ・ウィリマン大統領およびバルタサール・ブルム大統領の下で閣僚を務めました。1917年には憲法制定委員会のメンバーとなり、1925年から1930年にかけては、大統領と並んで国家運営に携わる国家運営理事会のメンバーとなりました。彼は経済と外交に明るく、コロラド党に所属していましたが、党首であったホセ・バッジェ・イ・オルドーニェスとは政治的姿勢を異にしていました。

大統領として

1931年、テーラはウルグアイ大統領に就任しました。当時のウルグアイは、1918年憲法によって定められた、大統領と国家運営委員会からなる二元的行政制度を採用していましたが、この制度は1929年の世界恐慌によって経済危機を深めるウルグアイにあって、その非能率性を露呈していました。テーラは当初より18年憲法に反対しており、国家運営委員会の廃止を企てていましたが、コロラド党内には反発も多かったのです。

クーデターと独裁政治

1933年、テーラは警察・軍隊および国民党多数派の支援を受けクーデターを敢行しました。議会を解散し、マスメディアへの検閲を行い、保守的・権威主義的な独裁政権を敷きました。大統領に権力を集中させる新憲法を制定し（-1942年）、1934年には大統領に再選され、1938年までその任期を務め上げました。

テーラ政権下のウルグアイ

テーラの大統領在任中には、輸入代替工業化の振興、さまざまな公共事業の実施、親ファシズム勢力政策からのソ連との国交断絶（1935年）、スペイン・フランコ政権の承認（1936年）、反対勢力によるテロ攻撃、およびその鎮圧（1935年）など、様々な出来事がありました。

辞任とその後

1938年、同じコロラド党の民主派アルフレド・バルドミールが選挙で勝利すると、ウルグアイにおける強権体制は定着しないまま、テーラは大統領を辞任しました。彼の政治的遺産は複雑であり、その評価は今日に至るまで分かれています。しかし、彼のウルグアイ政治への影響は否定できません。

まとめ

ガブリエル・テーラは、ウルグアイの歴史における重要な人物であり、彼の政治的行動は、ウルグアイの政治体制と社会に大きな影響を与えました。彼の生涯は、激動の時代における政治的リーダーシップの複雑さを浮き彫りにしています。

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