ガラスの城 (漫画)

ガラスの城

『ガラスの城』は、わたなべまさこによる日本の漫画作品で、1969年から1970年にかけて『週刊マーガレット』で連載されました。この作品は、第16回小学館漫画賞を受賞し、作者の代表作の一つとして知られています。

概要

1970年代に少女漫画界を席巻した本作は、「純粋な妹が、歪んだ姉を許す」という構造が特徴的です。この善悪構造は、後の多くの作品に影響を与え、日本だけでなく、2002年の韓国ドラマ『ガラスの靴』にも影響を与えたと言われています。2015年の「このマンガがすごい!WEB」では、1970年代の少女マンガランキングで17位に選ばれました。

あらすじ

物語は、ロンドンに住む双子の姉妹、イサドラとマリサを中心に展開します。ある日、母親が事故で亡くなり、イサドラは母親の遺品から、妹のマリサが実はストラス・フォード伯爵家の娘であることを示す証拠を発見します。しかし、イサドラはその証拠を改ざんし、自分が伯爵令嬢であると偽り、社交界で華やかな生活を送るようになります。

一方、マリサは伯爵の計らいでストラス・フォード城に住むことを許されますが、イサドラの策略によりメイドとして扱われ、いじめを受ける日々を送ります。しかし、伯爵と執事のクロッキーは、マリサの優しさや上品さに惹かれ、イサドラの性格や行動に疑問を抱き始めます。

物語は複雑に絡み合い、マリサの実母フランソワが記憶喪失状態で発見され、城で暮らすことになります。これにより、イサドラはさらに動揺し、催眠術師を使ってマリサを操ろうとします。マリサはアフリカで医師と結婚し娘をもうけますが、イサドラも大富豪と結婚し娘をもうけます。しかし、その大富豪は実は変装した催眠術師であり、イギリス王室を陥れようとします。イサドラは催眠術師を殺害し、マリサが正当な伯爵家の令嬢であることを公にします。

その後、マリサは伯爵家に戻り、イサドラの娘を自分の娘として育てます。年月が経ち、精神を病んだイサドラが戻ってきて、自分の娘に嘘を吹き込みます。そして、伯爵家は破産の危機に陥り、マリサと娘は領地へ向かいますが、そこでは領民たちが伯爵家を恨んでおり、イサドラとその娘が領民を率いていました。領民による魔女裁判でマリサと娘は処刑されそうになりますが、イサドラの娘は二人を助けます。イサドラは自分の罪を悔い、城に火を放って命を絶ちます。城の跡からはダイヤモンドの城が現れ、領民に与えられ、伯爵家と領民は和解します。イサドラの娘は、母の罪を償うため修道院へ入ります。

『ガラスの城』は、愛憎、策略、そして最終的な救済と和解を描いた、壮大な少女漫画作品です。

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