ガラスの林檎/SWEET MEMORIES

『ガラスの林檎／SWEET MEMORIES』

松田聖子によるシングル『ガラスの林檎／SWEET MEMORIES』は、1983年8月1日にリリースされ、聖子の14枚目のシングルとして登場しました。本作は最初はEP盤でリリースされ、後に89年にはCD版、さらに2004年には紙ジャケット仕様の限定盤として再発売されています。このシングルは、聖子の音楽キャリアにおいて特に重要な作品となり、様々な賞を受賞する際の名曲となっています。

制作背景

「ガラスの林檎」は、プロデューサーの若松宗雄をはじめとする制作チームによって、強い意気込みをもって作られました。この曲では、松本隆が作詞を、細野晴臣が作曲を担当し、編曲には大村雅朗が加わり、まさに最強のクリエイター陣が集結しています。本曲は日本レコード大賞を狙い、特に夏の時期に合わせてリリースされたのです。しかし、レコード大賞では金賞を受賞するも、大賞には届かず、様々な要因によって人気が伸び悩むことになりました。特に、当時の聖子のイメージとは異なった楽風が影響したとされています。

一方で、同年の『第9回あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭』でのゴールデングランプリ獲得や、オリコンでの高い売上枚数が、聖子の音楽活動の中での位置づけを確立させました。このシングルのオリコン発表による売上枚数は約85.7万枚に達し、聖子の他のシングルの中で2番目に売れたものとなっています。

制作エピソード

曲の制作過程において、細野はディレクターからサイモン＆ガーファンクルの楽曲に似たものを求められましたが、最初の段階では行き詰ってしまいました。その後、松本が急遽ソファで詞作りを行うというストーリーが残されています。また、「SWEET MEMORIES」については、大村が初めて単独で作曲を手掛けており、これが彼の名を広めるきっかけともなりました。曲のメロディには、特に聖子の歌唱力を引き出す意図があったとされています。

影響と評価

「SWEET MEMORIES」は、誕生当初からファンの間で名曲とされ、特にサントリーのCMソングに起用されたことで広く認知されました。このCMにはペンギンが登場し、感動的なシーンが描かれ、多くの視聴者の心を掴みました。当初は歌手名がクレジットされなかったため、誰が歌っているのかの議論が広がり、聖子の母ですら知るまで時間がかかったことも話題になりました。

このように、商業的な成功の背後には多くの苦労と工夫が隠されており、聖子が後になってこの曲を愛する理由も理解できます。レコーディング当初は緊張感もあったようですが、その結果として数多くのカバーや再録音がなされ、今日に至るまで多くのアーティストに受け継がれています。

収録曲とカバー

本シングルには2曲収められています。1曲目は「ガラスの林檎」、2曲目は「SWEET MEMORIES」で、どちらも松本隆が作詞を手掛けています。また、名曲であるため多くのアーティストがカバーしており、違った表現を通じて新たな魅力を引き出しています。特に「SWEET MEMORIES」は今でも多くの人々に親しまれ、聖子の代表曲ともいえる存在です。

最後に、『ガラスの林檎／SWEET MEMORIES』は松田聖子にとって、音楽界での名声の象徴として位置づけられ、リリースから数十年経った今でも、その旋律と思い出は多くの心に残り続けています。

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