ガラスの鼓動

アルバム『ガラスの鼓動』について

斉藤由貴の『ガラスの鼓動』は、彼女の通算2枚目にあたるスタジオ・アルバムであり、1986年3月21日にキャニオン・レコードから発売されました。このアルバムは、前年にリリースされた『AXIA』から約10ヶ月の間に制作されたものです。その間には企画アルバム『The Special Series [[斉藤由貴]]』も登場しましたが、本アルバムにはその3曲が含まれています。

アルバムのタイトルは『ガラスの鼓動』ですが、このタイトルの曲は収録されていません。しかし、収録曲の一つである「月野原」の歌詞には「ガラスの鼓動」というフレーズが登場します。このように、斉藤自身が作詞を担当した初めての作品も含まれており、アルバム以降の作品にも多くの自作詞曲が見受けられるようになりました。

アルバムの中では、「千の風音」が特徴的です。この曲は、歌詞を伴わないインストゥルメンタルとして収録されていますが、NHKの朝の連続テレビ小説『はね駒』の撮影中に書かれた詩が歌詞カードに添えられています。聴き手にとって、どこか懐かしさや温かさを感じさせる曲となっています。

また、本アルバムには女性シンガーソングライターの谷山浩子からの初の楽曲提供が含まれており、「土曜日のタマネギ」は12インチ・シングルとしてもリリースされました。このコラボは、斉藤由貴の音楽活動において非常に重要な要素となり、以後も多くの作品で彼女と谷山の関わりがみられるようになります。特に、谷山はその後も斉藤の楽曲に多くのアイデアを提供し続け、多大な影響を与えました。

アルバムの収録曲は多岐にわたります。「初戀」や「情熱」といったシングルの顔となった曲が含まれ、聴き応えのある内容が盛りだくさんです。特に「初戀」は、後の3枚目シングルの表題曲としても話題を呼びました。また、アルバム収録曲の中にはシングルカットされたものも多く、聴きごたえのある作品として多くのファンに親しまれています。

2003年には、『斉藤由貴 CD-BOX 1』にリマスタリングされた音源が収録されましたが、このボックス・セットは限定生産であったため、現在では入手が困難です。さらに2009年には、デビュー25周年を記念して高音質再生可能なHiQualityCD（HQCD）仕様で再発売され、制作プロデューサーの長岡和弘のコメントも収められています。

その後の2008年7月には、「Myこれ!チョイス」の一環として本作が再リリースされ、元の収録曲に加えて未収録のシングルA面曲が追加されています。この盤は、藤井淳による解説が付属しており、ファンにとっては喜ばしい復刻となりました。

収録曲の解説

• - 千の風音: インストゥルメンタル楽曲で、歌唱は無く演奏のみで構成される。
• - 月野原: 斉藤自身が作詞した曲で、彼女の創造的な面が発揮されている。
• - 土曜日のタマネギ: 5月にシングルとしてもリリースされ、印象的なバージョンが魅力。
• - 初戀: 斉藤の代表的なシングル曲。
• - 情熱: 4枚目のシングルの表題曲としても知られる。

『ガラスの鼓動』は斉藤由貴の音楽進化を感じ取ることができる貴重なアルバムであり、今もなお多くのリスナーに支持されています。

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