ガラバンダルの聖母

ガラバンダルの聖母：スペインの小さな村で起きた奇跡と警告

1961年から1965年にかけて、スペイン北部の小さな村、ガラバンダルで、驚くべき出来事が起こりました。4人の少女の前に、聖母マリアが出現したというのです。この事件は、多くの信者を集め、今もなお議論を呼ぶ、神秘的な出来事として知られています。

事件の概要

1961年6月18日、コンチータ（12歳）、マリ・ローリ（12歳）、ヤシンタ（12歳）、マリ・クルス（11歳）という4人の少女が、天使に出会ったと証言しました。その天使は、大天使ミカエルを名乗り、その後もほぼ毎日少女たちの前に現れ、聖母マリアの出現を予告しました。

少女たちの異様な反応は、村人たちの注目を集めました。恍惚とした表情でひざまずき、首を大きく反らし、硬直した状態が続くこともあったといいます。やがて、村だけでなく近隣の村々からも人々が集まるようになり、7月2日には大勢の群衆が集まりました。

そして、少女たちの証言通り、聖母マリアが2人の天使と共に現れたのです。聖母マリアは、純白の衣に薄青のマントをまとい、長い濃茶の髪には王冠を戴き、面長で細身の鼻をしていたと伝えられています。天使たちも面長で黒い瞳を持ち、マントは青く、爪は丁寧に短く切られていたそうです。ただし、聖母マリアの姿を目撃したのは、少女たちだけでした。

聖母からのメッセージ

聖母マリアは、少女たちに幾つかのメッセージを伝えました。1961年10月18日の最初のメッセージでは、犠牲と罪の償い、聖体の訪問、そして何よりも「善い人になること」の重要性が説かれ、善行を怠れば大きな罰が下ると警告しました。

1962年6月19～20日には、少女たちは恐怖に慄くような未来のヴィジョンを目にしました。共産主義による教会迫害、核戦争の惨禍など、世界の危機が示されたのです。「神は超自然の領域についての警告をなさるであろう」というメッセージと共に、警告を無視すれば神から送られる懲罰が示されました。そのヴィジョンは、あまりにも凄惨なもので、少女たちの絶叫は周囲の人々を恐れさせたといいます。

1965年6月18日には、最終的なメッセージが伝えられました。それは、最初のメッセージに従う行動が取られておらず、世界に知らされてもいないことを嘆き、多くの司祭たちが破滅への道を辿っていると警告するものでした。聖なる聖体の秘跡の軽視も指摘され、神への真摯な悔い改めと犠牲の必要性が訴えられました。

警告とは何か

聖母マリアのメッセージには「警告」という重要な言葉が登場します。少女たちの証言によると、警告は世界中の人々が体験する超自然的な現象で、科学では説明できないものだといいます。それは、人々の良心を矯正し、神への回帰を促すものだとされます。警告は、世界の状態が最悪になった時に起こるとされ、その恐ろしさは、死んだ方がましと思わせるほどだと伝えられています。

結論

ガラバンダルの聖母事件は、多くの謎を残したまま、人々の記憶に刻まれています。聖母マリアの出現を信じるか信じないかは別として、この事件が人々に与えた衝撃は、今もなお色褪せることはありません。奇跡か、それとも単なる幻想なのか、その真偽は未だに謎のままです。しかし、この事件を通じて、人々は信仰、倫理、そして人類の未来について、改めて深く考える機会を得たのではないでしょうか。

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