ガラ馬券

ガラ馬券とは

ガラ馬券、またはロッタリー、スィープステークス方式馬券は、競馬における特異な賭け方の一つです。この馬券の特性は、購入した時点ではどの馬が自分の馬券に対応しているかがわからない点です。買った後にくじ引きで割り当てられた馬がレースで勝つかどうかに賭ける仕組みとなっています。

日本での歴史

日本では明治時代にこのガラ馬券が登場し、横浜競馬場を運営していた日本レース・倶楽部が初めて導入しました。1906年には池上競馬場でも試行されましたが、期間が短く、早々に市場から姿を消しました。ガラ馬券は、特にそのオークション方式による駆け引きの面白さが魅力とされていましたが、時には不正行為も発生しやすい側面を持っていました。このため、日本ではガラ馬券は大正時代以降、販売されなくなりました。

ガラ馬券の仕組み

ガラ馬券の購入者は、売られている馬券を入手したあと、特定の馬がどれかをくじ引きで決定します。くじ引きの際には、番号が書かれた木札が使用され、「ガラガラ」という音を出すことが名称の由来です。例えば、20頭の馬が出走する競馬において、番号付きの馬券が20枚販売され、クジ引きによって馬がそれぞれの馬券に割り振られます。

レースが始まり、獲得した馬券に対応する馬が勝てば、配当を得ることができます。この際、オークションが行われ、所有者は自分の馬券を売ることが可能です。期待される配当金と馬の勝つ確率を見比べて投資判断を行うため、ギャンブルとしての面白さが増します。

課題と不正

ガラ馬券には不正が横行するリスクが高く、特に強い馬に関する情報を基に馬券をオークションで安く売買することが可能でした。例えば、ある馬の所有者がレース直前にその馬を引退させ、安く買った馬券で高額の配当を得ることができた事例が報告されています。このような問題が多発したため、最終的には日本国内でのガラ馬券の販売は短期間で終了しました。

海外のガラ馬券事情

日本以外にも、満洲国や上海ではガラ馬券の形式が存在しました。これらの地域では、日本と異なり、ガラ馬券は長い間行われ、不正の可能性もある中で高い配当が得られる可能性を持っていました。特に上海では、イギリス人によって運営される競馬の中で、ガラ馬券が大規模に販売されていました。参加者は数万枚の中から抽選で当選馬を決定し、当たり馬の配当も非常に高額となることから、賭博性が強調されていました。

まとめ

なぜガラ馬券が日本では一時的にしか存在しなかったのか、その背景や仕組みを理解することで、競馬における賭け方の多様性やリスクを考える材料となります。ガラ馬券の独特な特徴や取り扱いの変化が、現代の競馬とどのように関わっているのかを考察することが今後の興味深いテーマといえるでしょう。

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