ガリー・スピード

ガリー・アンドリュー・スピード MBE（Gary Andrew Speed MBE, 1969年9月8日 - 2011年11月27日）は、ウェールズのサッカー界を代表する人物でした。現役時代はMFとして、卓越した技術とリーダーシップでプレミアリーグの第一線で活躍。22年間という長きにわたり、所属した全てのチームでキャプテンを務め、その実績と人望の厚さを示しました。41歳で現役を引退後、指導者の道へ進み、ウェールズ代表監督としてチームを率いました。

ウェールズ代表監督としては、わずか5試合で4勝という目覚ましい成績を収め、チームのFIFAランキングを100位以下から45位へと大幅に引き上げるなど、その手腕を発揮しました。しかし、その輝かしいキャリアの絶頂期とも言える2011年11月27日、42歳という若さで急逝。突然の訃報は、サッカー界に大きな衝撃と悲しみをもたらしました。

スピードは、2010年に現役を引退後、シェフィールド・ユナイテッドでコーチとしてのキャリアをスタートさせました。その後、2010-2011シーズン途中にケヴィン・ブラックウェル監督が解任されたことを受け、後任として3年契約で監督に就任しました。しかし、2010年12月24日には、シェフィールド・ユナイテッドの監督を任期途中で退任し、ウェールズ代表監督に就任しています。

2011年11月27日、イングランド北西部のチェシャーにある自宅で、スピードは縊死している状態で発見されました。ウォリントンで行われた検視法廷では、死因は首つりによるものと断定されましたが、検視官は「意図的なのか偶然なのかを判断するのに十分な証拠がない」として、スピードが首にケーブルを巻き付けた状態で自宅のガレージの階段に座って「うとうとした」のではないかという見解を示しました。

法廷では、妻のルイーズ・スピードが、死去の4日前に携帯電話のテキストメッセージでスピードが自殺について触れていたものの、その後思いとどまったと証言しました。また、死の前日の11月26日には、夫婦でディナーパーティーから帰宅した際に口論があり、その後ルイーズが頭を冷やそうと一人でドライブに出かけ、深夜1時半頃に帰宅した際には家に入れなかったと説明しました。ルイーズは、スピードと連絡が取れなかったため車中で一夜を過ごし、翌朝6時にガレージの窓からスピードの姿を発見し通報したと証言しています。

ウェールズ代表のチームドクターは、スピードにストレスや鬱の兆候は見られなかったと証言しました。また、2010年までスピードが監督を務めていたシェフィールド・ユナイテッドの医療スタッフも、彼が指揮を執っていた間に精神的な問題を抱えていた様子はなかったと述べています。

スピードの突然の死は、多くの謎を残したままとなりましたが、彼のサッカー界への貢献と、その人柄は、多くの人々の記憶に深く刻まれています。

所属クラブ

選手
1988-1996: リーズ・ユナイテッドAFC
1996-1998: エヴァートンFC
1998-2004: ニューカッスル・ユナイテッドFC
2004-2008: ボルトン・ワンダラーズFC
2008-2010: シェフィールド・ユナイテッドFC
指導者
2010: シェフィールド・ユナイテッドFC（コーチ）
2010: シェフィールド・ユナイテッドFC（監督）
2010-2011: ウェールズ代表（監督）

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