ガンダム・カバード ネメシスの天秤

ガンダム・カバード ネメシスの天秤

『ガンダム・カバード ネメシスの天秤』は、ガンダムシリーズの外伝として位置付けられるテーブルトークRPGリプレイ小説です。この作品は1998年にホビージャパンによって出版された『RPGマガジン』に連載され、多くのファンに親しまれました。脚本は高平鳴海、イラストは田島直によるもので、全8話で構成されています。

概要

物語はU.C.0079の11月10日、地球降下中のテスト部隊がジオン軍の襲撃に遭遇するところから始まります。この攻撃によって部隊は壊滅的な被害を受け、生き残った一行は様々な勢力に狙われる運命に直面します。特にダイチ・オキタという民間人は、偶然にも実験機であるガンダム・カバードに乗り込み、奇妙な組織ネメシスとの接触を果たします。連邦軍とジオン軍双方の犠牲となりながら、彼らは自身の運命と抗うことになります。

登場人物

物語には、多彩なキャラクターが登場します。ダイチ・オキタは何の前触れもなくカバードの運転を任されることになりますが、彼の成長が物語の大きなテーマの一つです。彼と共に行動するアリス・ファーランドは、ニュータイプと認められる少女で、ダイチと共にMSに乗り込む仲間です。

一方、連邦軍の大尉であるマックス・バルボアは、実はネメシスの幹部でもあり、彼の複雑な立場が物語に影響を与えます。副隊長のカサンドラ・リデルアーツも魅力的に描かれ、酒やギャンブルを好む彼女の人間性は他のキャラクターとの対比をもたらしています。様々なバックグラウンドを持ったキャラクターたちが、戦争の中でそれぞれの葛藤を抱えながら進んでいく様子が描かれています。

敵と勢力

物語の舞台となるのは、連邦とジオンの戦争だけでなく、謎の組織ネメシスも絡んでおり、この三勢力の思惑が交錯することで物語はさらに複雑な展開を見せます。日々が生と死をかけた戦闘の連続でありながらも、各キャラクターにはそれぞれの目的や信念が存在します。敵として立ちはだかる軍のオフィサーや、重要な役割を果たすネメシスの幹部たちが、戦局を左右する重要な存在となります。

兵器と戦闘

本作品では、さまざまなモビルスーツ（MS）や戦艦が登場し、それぞれの性能や特徴が描かれています。特にガンダム・カバードは、特有の可変機構を持っており、さまざまな状況に応じた運用が可能です。また、バスターホークや戦艦マドラスなどのサポートキャラクターたちも物語を盛り上げます。

結論

『ガンダム・カバード ネメシスの天秤』は、キャラクターの成長や葛藤、そして政略が織り成す戦いを描いた作品です。プレイヤーたちはこの作品を通じて、戦争の運命に翻弄される人々の姿を体験し、共感することができるでしょう。各キャラクターには独自の物語があり、彼らの選択や行動が結果を生む様子が描かれています。ガンダムファンにとっても一見の価値がある作品となっています。

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