ガンマ値

ガンマ値について

ガンマ値（ガンマち）とは、画像の階調に対する応答特性を示す numerical 指標です。特に、入出力機器の異なるガンマ値に基づき、画像の階調を最適に補正するプロセスは「ガンマ補正（ガンマほせい）」と呼ばれます。これにより、異なるデバイスで画像が一貫して美しく表示されることを可能にします。

映像機器のガンマ

ディスプレイなどの映像機器では、入力値（電圧やデジタルデータの数値など）と出力値（画像の輝度）の関係が直線的ではなく、通常は次の関数で表現されます。

$$
V_{out} = V_{in}^{ ext{γ}}
$$

この式で用いられる冪乗の指数γが、ガンマ値にあたります。一般的なCRTディスプレイのガンマ値は約2.2であり、液晶ディスプレイもこの値に近づけるように調整されています。また、CRTディスプレイの濃度階調は三極管の特性に由来し、人間の視覚の特性に影響を与えています。たとえば、MacintoshではOS X v10.5までガンマ値200値が1.8、v10.6からは2.2に変更されました。

写真感光材料のガンマ

写真においてもガンマ値は重要です。写真感光材料では、特性曲線（ハーター-ドリフィールド曲線）の安定した直線部分における対数での濃度と露光量の増分比を表します。これは、写真のコントラストや硬調さを示すもので、次のように表現されます。

$$
γ = rac{Δ ext{log}_{10}( ext{Density})}{Δ ext{log}_{10}( ext{Exposure})}
$$

このガンマ値も映像機器の場合と同じく、特性曲線が直線を形成するため、意味としてはほぼ同一です。

ガンマ補正の重要性

入力値と出力値が直線的である場合、ガンマ値は1（γ=1）になります。しかし、γが1未満の場合、出力が明るく、1より大きければ暗くなるため、適切なガンマ補正が必要です。例えば、ガンマ値が2.2のディスプレイで設計された画像を、ガンマ値1.8のディスプレイで表示すると、実際のガンマ値は約0.82となり、意図したよりも明るい画像となります。全体のガンマを1に調整するための適切なカーブを用いて階調を補正することを、ガンマ補正と言います。

画像編集ソフトウェアには、ガンマ補正機能が多く実装されています。NTSC方式のカラーテレビ放送では、受信側のガンマ値を2.2として、出力がガンマ値1になるように送信側で0.45の補正をかける事例があります。また、カラーマネージメントシステムで使われるICCプロファイルには、関連する入出力機器のガンマ値情報が含まれ、対応機器によって適切な補正が行われます。

参考文献

• - 月刊MacPower 2002年3月号特別付録「マッキントッシュ用語事典　ま～ぱのコトテン」、アスキー、2002年。

以上がガンマ値及び関連技術に関する解説です。ガンマ値はデジタル画像処理の基本的な要素であり、視覚体験を向上させるための重要な要素です。

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