ガーフィールド郡 (モンタナ州)

はじめに

モンタナ州中央部東、広大な大地に位置するのがガーフィールド郡です。この郡は、その極めて低い人口密度と、古生物学上の重要な発見、そして揺るぎない共和党支持という政治的特徴で知られています。2010年の国勢調査によれば、郡の人口はわずか1,206人。これは2000年の1,279人から5.7%の減少を示しており、人口減少の傾向が見られます。郡の行政中心地であり、最大のコミュニティでもあるのはジョーダンという町で、ここには343人が暮らしています。

地理

ガーフィールド郡の総面積は広大で、約12,556平方キロメートル（4,848平方マイル）に及びます。その大部分、約12,090平方キロメートル（4,668平方マイル）が陸地であり、残りの約464平方キロメートル（179平方マイル）は水域で、水域率は約3.7%となっています。この広大な面積に対し、人口は非常に少ないため、人口密度は1平方キロメートルあたりわずか0.1058人（1平方マイルあたり0.274人）という極めて低い値を示しています。これは、アラスカ州を除くアメリカ合衆国の郡の中で、テキサス州ラビング郡、ネバダ州エスメラルダ郡に次いで3番目に人口密度が低いことを意味します。郡の周囲は、北西にフィリップス郡、北にバレー郡、東にマコーン郡とプレーリー郡、南東にカスター郡、南にローズバッド郡、西にペトローリアム郡と接しています。また、郡域の一部には、自然豊かなチャールズ・M・ラッセル国立野生生物保護区が含まれており、多様な野生生物の生息地となっています。郡内を走る主要な道路としては、モンタナ州道22号線、59号線、24号線があります。

古生物学の重要性

ガーフィールド郡は、古生物学の世界において特別な場所として認識されています。特に、恐竜の王として知られるティラノサウルス・レックスの、世界でも最大級とされる標本が複数（1994年時点で4つ）この地で発見され、発掘されました。これらの重要な発見は、恐竜研究に大きく貢献しています。発見された恐竜の頭骨の一部は、郡庁所在地のジョーダンにあるガーフィールド郡博物館に展示されており、訪れる人々にこの地の豊かな地質学的歴史を伝えています。

政治的傾向

政治的に見ると、ガーフィールド郡はモンタナ州内、さらにはアメリカ国内でも特に強固な共和党の地盤として知られています。大統領選挙において、民主党候補が郡で勝利したのは、1940年のフランクリン・D・ルーズベルトが最後であり、それ以来、一貫して共和党候補が圧倒的な支持を得ています。直近の5回の大統領選挙では、民主党候補の得票率が16%を超えることは一度もありませんでした。例えば、2000年の選挙ではジョージ・W・ブッシュ候補が87%もの票を獲得したのに対し、アル・ゴア候補はわずか8%に留まりました。2004年にはブッシュ候補が90.08%、ジョン・ケリー候補が7.94%、2008年にはジョン・マケイン候補が82.3%、バラク・オバマ候補が15.1%という結果でした。この傾向は、州レベルおよび地方レベルの政治にも反映されています。長年にわたり、民主党の知事候補がこの郡で勝利することはなく、現職の民主党知事さえ、この郡での得票率は38%を超えることがありませんでした。州議会においても、ガーフィールド郡を含む選挙区（上院第15区、下院第30区）は、常に共和党所属の議員によって代表されています。

コミュニティ

ガーフィールド郡には、郡庁所在地のジョーダンを中心にいくつかの小さなコミュニティが存在します。ジョーダンの他にも、ブルセット、コーハーゲン、モスビー、サンドスプリングスといった集落が点在しており、広大な郡域に暮らす人々の生活拠点となっています。これらのコミュニティは、低い人口密度の中で、地域固有の結びつきを保ちながら存在しています。

まとめ

ガーフィールド郡は、モンタナ州の東部に位置する、人口が少なく広大な郡です。その地理的な特徴である低い人口密度は国内でも珍しく、またティラノサウルスの重要な化石が発見された地としても有名です。政治的には極めて保守的で、共和党の強い支持基盤となっています。郡庁所在地のジョーダンを中心とした小さなコミュニティが点在するこの地は、モンタナ州の広大な自然と独特の歴史、そして政治的景観を反映しています。

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