キエるマキュウ

キエるマキュウ：ヒップホップ・シーンに刻まれた軌跡

キエるマキュウは、日本のヒップホップ・シーンにおいて独特の存在感を放つユニットです。BUDDHA BRANDのMCであるCQ、類まれな才能を持つトラックメーカーにしてMCでもあったMAKI THE MAGIC、そしてDJ、サウンドエンジニア、トラックメーカーとして多岐にわたる活動で知られるILLICIT TSUBOIという3人によって構成されています。

メンバー紹介

CQ (本名：平栗隆): BUDDHA BRANDの中心メンバーとして知られるベテランMC。ソロとしても数々の作品を発表し、日本のヒップホップ界に多大な影響を与えています。キエるマキュウでは、その卓越したフロウとリリックで楽曲に深みを与えています。

MAKI THE MAGIC (本名：槙茂樹): MCとしてだけでなく、DJ、トラックメーカーとしても才能を発揮したマルチプレイヤーでした。キエるマキュウのサウンド・プロデュースの中核を担い、独自のセンスで多くの楽曲を彩りました。2013年7月14日、脳内出血のため46歳という若さで急逝。その死は、日本のヒップホップ・シーンに大きな衝撃を与えました。既婚者であり、3人の子持ちでした。3人目の息子は、MAKI THE MAGICの追悼イベント『MAGIC FOREVER』が開催された2013年10月17日に誕生するという、運命的な出来事がありました。

* ILLICIT TSUBOI (本名：坪井千冬): 別名The Anticipation Illicit Tsuboiとしても知られる、DJ、サウンドエンジニア、トラックメーカー。A.K.I.Productions.での活動経験もあり、幅広い音楽性を持ち合わせています。キエるマキュウでは、その高い技術力で楽曲に磨きをかけました。

活動の歴史

キエるマキュウは1998年に活動を開始し、同年デビューシングル『NANJAI』を発表。その後、2枚のアルバムと1枚のミニアルバムを発表するなど、精力的な活動を展開します。2000年代初頭には『TRICK ART』や『マネーメリーゴーランド』といった作品で、独特の世界観と高い音楽性を示し、多くのリスナーを魅了しました。

しかし、2003年以降はしばらく作品リリースが途絶えます。そして2012年、約9年ぶりに4thアルバム『Hakoniwa』を発表。待望のカムバックとなりましたが、同年、MAKI THE MAGICの急逝という悲劇に見舞われます。

MAKI THE MAGICの死後も、残されたメンバーは活動を継続。2014年にはMAKI THE MAGICのトリビュートアルバム『DEDICATED TO MAKI THE MAGIC - MAGIC MAGIC MAGIC』をリリースし、彼の音楽への貢献を称えました。また、同年にはキエるマキュウ初のベスト盤『明日に向かって撃て!』も発売され、彼らの長年の活動の軌跡が改めて認識されました。2014年には2枚目のベストアルバムもリリースしています。

ディスコグラフィー

キエるマキュウは、シングル、アルバム、ミニアルバム、ベスト盤など、数多くの作品を発表してきました。その作品群は、彼らの音楽性の多様さと、時代を超越した魅力を証明しています。特に、初期の作品は、独特なアートワークにも注目が集まりました。

その他の活動

メンバーそれぞれがソロ活動や客演などを通して、日本のヒップホップ・シーンに大きく貢献しています。CQはBUDDHA BRANDでの活動に加え、様々なアーティストとのコラボレーションでその存在感を示し、ILLICIT TSUBOIもDJやトラックメーカーとして活動を続けています。

まとめ

キエるマキュウは、MAKI THE MAGICの死という大きな悲劇を乗り越え、活動を続ける、日本のヒップホップシーンにおいて重要なユニットです。彼らの音楽は、その独特の世界観と高い音楽性で、今もなお多くのリスナーを魅了し続けています。その活動は、単なる音楽活動を超え、仲間との絆、そして音楽への情熱を私たちに伝えてくれます。彼らが残した作品群は、これからも日本のヒップホップ・シーンの歴史に刻まれ続けるでしょう。

もう一度検索