キエル・エウヘニオ・ラウヘルド・ガルシア

キエル・エウヘニオ・ラウヘルド・ガルシア：グアテマラの軍人・政治家

キエル・エウヘニオ・ラウヘルド・ガルシア（Kjell Eugenio Laugerud García、1930年1月24日 - 2009年12月9日）は、グアテマラの軍人かつ政治家であり、1974年から1978年までグアテマラの大統領を務めました。

生涯

ラウヘルドはグアテマラシティで生まれました。彼の父親はノルウェーからの移民であり、ノルウェー語での名前「Kjell Laugerud」は「シェル・ラウゲルド」のように発音されます。1949年に軍学校を卒業し、歩兵隊の少尉に任官。1965年には軍学校の教育長に就任しています。1960年代後半には、グアテマラ大使館付武官としてワシントンD.C.に赴任しました。

カルロス・マヌエル・アラナ・オソリオ政権下では防衛相を務め、階級は将軍にまで昇進しました。

大統領として

1974年3月の大統領選挙では、右派の国民解放運動(MLN)および制度的民主党(PID)の候補として出馬し、同じく軍人であるエフライン・リオス・モントらと争いました。選挙では不正があったとの非難もありましたが、選挙委員会はラウヘルドを勝者としました。そして、7月1日に大統領に就任しました。

1976年2月にグアテマラを襲った大地震では、23,000人もの犠牲者を出し、グアテマラ全土が甚大な被害を受けました。ラウヘルドは災害発生後すぐに被災地を訪問し、外国からの援助を効率的に活用したことで国民からの支持を集めました。米州開発銀行、世界銀行、国際開発協会からの借款を受けて復興事業を実施しました。しかし、前政権から続く人権侵害問題については国際的な批判を受けました。また、国内からは穏健的すぎると極右勢力からの批判も受けました。

1960年代以降のグアテマラ内戦において、アメリカ合衆国が政府の迫害行為に深く関与していたことが明らかになっています。1977年にアメリカ合衆国大統領に就任したジミー・カーターはグアテマラ政府による人権侵害を非難し、グアテマラが人権状況を改善することを条件に210万ドルの軍事援助を申し出ましたが、グアテマラ政府はこれを拒否しました。カーター政権下ではアメリカ合衆国によるグアテマラへの軍事援助は中止され、武器の輸出も大幅に削減されましたが、ロナルド・レーガン政権になると軍事援助は再開されました。

内戦や地震の被害に見舞われながらも、ラウヘルド政権下でグアテマラ経済は繁栄しました。彼は土地を持たない農民をペテン県に入植させるプログラムを開始し、外交面ではベリーズに対する主権を主張しました。

1978年3月の大統領選挙で勝利したロメオ・ルカス・ガルシアに後を託し、大統領を退任しました。

2009年、グアテマラシティで逝去。79歳でした。

ラウヘルドの政治 करियरは、激動の時代におけるグアテマラの歴史を反映しています。軍事政権、自然災害、人権問題、そして経済発展。これらの要素が複雑に絡み合う中で、彼はグアテマラの舵取りを担いました。

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