カルロス・マヌエル・アラナ・オソリオ

カルロス・マヌエル・アラナ・オソリオ：グアテマラ大統領（1970-1974）

カルロス・マヌエル・アラナ・オソリオ（1918年7月17日 - 2003年12月6日）は、グアテマラの軍人・政治家であり、1970年から1974年まで同国の大統領を務めました。彼はゲリラに対する強硬な作戦を展開したことで知られています。

生涯

アラナはサンタ・ローサ県バルバレーナで生まれ、1939年にグアテマラシティの軍学校を卒業後、グアテマラ国軍で大佐の地位にまで昇りつめました。

1966年、アラナは東部のサカパ県の軍事総督に任命され、翌年にかけてサカパの農民ゲリラに対し、過酷な掃討作戦を展開しました。1968年にはニカラグア大使に任命されています。

1970年3月の大統領選挙で、右派の国民解放運動(MLN)および制度的民主党(PID)の候補として出馬。43%の得票率を得て、革命党(RP)やキリスト教民主党(DCG)の候補を破り大統領に選出され、同年7月1日に大統領に就任しました。しかし、その3か月前の1970年4月には、在グアテマラ西ドイツ大使のカール・フォン・シュプレーティが、武装反乱軍(FAR)に誘拐・殺害される事件が発生しています。

同年11月22日、アラナは大統領令により1年間の戒厳令を敷き、厳格な検閲と外出制限を設けました。また、死の部隊によって左派シンパや反政府団体の指導者などが殺害され、ゲリラのみならず学生や労働者の運動、さらには政敵に対しても迫害を行いました。アムネスティ・インターナショナルによると、戒厳令下の最初の2か月だけで、政府または非公式の準軍事組織によって700人が処刑されたとされています。ゲリラによる誘拐・殺人も増加の一途をたどり、1970年から1971年の間だけで7000人が殺害または行方不明になったと伝えられています。

一方、ゲリラ側では、ロドリーゴ・アストゥリアス（ノーベル文学賞を受賞したミゲル・アンヘル・アストゥリアスの息子）によって1971年に武装人民組織(ORPA)が組織され、アティトラン湖周辺を中心に活動を開始しました。彼らはゲリラの中でも特に組織的であり、長年にわたり戦闘員を教育しました。同時期に、キチェ県北部辺境のイシュカンには、貧民ゲリラ軍(EGP)という団体が組織されました。

1974年3月の大統領選挙では、アラナ政権の国防相であったキエル・エウヘニオ・ラウヘルド・ガルシアが、国民解放運動および制度的民主党の候補として当選し、同年7月1日に後継の大統領に就任しました。しかし、この選挙は不正であったとされ、1982年にエフライン・リオス・モントがクーデターを起こすまで、軍事政権による不正な選挙が続きました。その後、アラナは再びニカラグア大使を務めました。

1980年代以降、アラナは病気のため引退生活を送り、2003年に首都グアテマラシティで亡くなりました。

アラナの時代は、グアテマラ内戦が激化した時期であり、彼の強硬な政策は多くの犠牲者を生み、現在でもその評価は分かれています。

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