キクユ青年協会

キクユ青年協会（YKA）の設立とその背景

キクユ青年協会、またはその英語名であるThe Young Kikuyu Association（YKA）は、1921年6月10日に設立されました。これは、既に存在していたキクユ協会（The Kikuyu Association, KA）から分派した形で誕生しました。その後、1921年7月には組織名を東アフリカ協会（East Africa Association, EAA）に変更し、活動対象がより広範囲にわたることとなりました。

キクユ族と植民地体制の歴史

イギリスによる東アフリカの植民地支配は、現地住民に多大な影響を与えました。特に、人口が相対的に多かったキクユ族は、自らの権利が侵害されていると感じ、声を上げる必要性を痛感していました。この背景を受けて、1919年にまずキクユ協会が設立され、住民の不平不満を組織的に訴える活動が始まりました。

KAからYKAへの移行

キクユ協会の書記を務めていたハリー・トゥクは、KAがイギリス当局に対して行動を起こす様子を見て、現状に不満を持つようになります。特に、イギリス側がアフリカ人に対する賃金を一方的に引き下げた際、KAが抗議をしたものの、より強い行動を起こさなかったことがきっかけで、彼は新たな運動の必要性を感じました。

1921年6月、トゥクは仲間たちと共にKAを離れ、より戦闘的な姿勢を持つKYAを設立します。設立当初から、彼らは単にケニアに留まらず、イギリス領全体のアフリカ人の権利を守ることを目指していました。

東アフリカ協会（EAA）の改称

設立後すぐに、彼らは組織名を改め、EAAとして広範な活動を行うようになります。これは、ケニアを越えた他のイギリス領東アフリカの地域に存在するアフリカ人コミュニティの声も代表するための方策でした。しかし、彼らの活動はすぐに困難に直面します。

トゥクの逮捕と運動の抑圧

1922年3月4日、EAAの集会中に議長のトゥクは逮捕されてしまいます。彼はナイロビからキスマユに移送され、その後9年間にわたって投獄されることに。彼の逮捕をきっかけに、YKA/EAAの運動は弾圧され、メンバーや支持者たちにも影響が及びました。別の情報では、トゥクは自宅で逮捕されたとも伝えられ、集まった群衆に対して警察が発砲し、多くの人々が負傷しました。

組織の活動の低下と非合法化

1923年8月にナイロビで重要な集会が開催された後、YKA/EAAの活動は低迷を見せます。そして、1924年には当組織は非合法化されることとなりました。この一連の出来事は、イギリス植民地政府の弾圧政策と現地の抵抗運動の重まを浮き彫りにしています。研究者や歴史家にとって、YKAの設立とその後の展開は、アフリカの植民地抵抗として非常に興味深い事例となっているのです。彼らの活動は、当時の社会的・政治的な変革の流れの中で重要な意義を持っていました。

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