キックベースボール

キックベースボールとは

キックベースボールは、サッカーボールを用いて野球の形式でプレイする遊びやスポーツです。多くの場所で「キックベース」との愛称で親しまれていますが、他にも「フットベースボール」や「蹴り野球」といった名前でも言われることがあります。このスポーツは子供たちを中心に広まり、学校の体育の時間にも取り入れられることが多いです。

歴史的背景

このスポーツの発祥は、アメリカのオハイオ州シンシナティにあります。1917年ごろ、Cincinnati Park Playgrounds の管理者であったニコラス・C・シュースによって考案されました。初めは若者に野球の基本を教えるために使われ、特にサッカーボールやバレーボールを利用してプレイされていました。初期のルールでは、ボールがキックされるまで選手たちは「ニュートラルゾーン」から出られないなどの制約があり、競技場も野球と同じでした。

その後、キックボールは米軍兵士によって第二次世界大戦の戦場でも楽しまれるようになりました。特にチュニジアでの戦闘に参加していたアメリカの特派員エルニー・パイルは、兵士たちがこのスポーツを楽しむ姿を伝えています。

各国での人気

キックベースボールは、韓国で「발야구（足野球）」として人気を博しています。小学校の体育の授業でも行われ、多くの子供たちに楽しまれています。また、カナダの一部地域では「Soccer-Baseball」として知られており、日本でも特に小学生の活動として広がっています。

スペインのバダホスでは「Beisbol pie（フットベースボール）」として普及し、小学校で行われています。南米の国々でもキックベースボールは人気で、特に女子のリーグが盛況を呈している地域も多いです。

日本におけるキックベースボール

日本ではキックベースボールの起源は千葉県市川市にあり、子供会などの活動を通じて広まったといわれています。特に1990年代には、フジテレビの番組『夢がMORI MORI』で有名人たちによる「スーパーキックベースボール」が放映され、再びこのスポーツへの関心が高まりました。

ルールの概要

キックベースボールのルールは地域によって異なりますが、基本的には野球に似た形式が多いです。基本的なルールとして、キッカーが本塁に置かれたボールをキックして、1塁から3塁を回って本塁へ戻ることを目的とします。守備側も早くボールを捕らえてキッカーをアウトにするための戦略が求められます。特に「全国共通ルール」が存在しており、これに基づいてゲームが進行します。

試合は通常7回戦ですが、地域によっては5回で決着がつくこともあります。キッカーがファウルや空振りを取られた場合、いくつかのルールが存在し、3アウトで攻守交代になります。

ポジションと独自のルール

日本では、全国共通ルールは11人制を基本とし、野球のポジションをベースにしたポジション区分もあります。さらに、地域ごとに独自のルールが存在し、地域の指導者が考案した新たなルールもたくさん見られます。例えば、ボールをキックする際の直前に足元に止めてから走るルールや、特定のエリアによるファウルの扱いなど、多様性があります。

類似スポーツ

キックベースボールに似たスポーツにはフットソフトボールがあります。これは知的障がい者向けのスポーツとして定められたもので、ルールにおいても独自の特性があります。


このように、キックベースボールは世界中で様々な形で楽しまれるスポーツです。地域や文化によってルールやスタイルが異なりながらも、子供たちにとっての楽しい遊びや競技としての側面を持ち続けています。

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