キック・アス

『キック・アス』の世界

『キック・アス』（Kick-Ass）は、マーク・ミラーが原作を手掛け、ジョン・ロミータ・Jrが作画を担当したアメリカン・コミックです。本作は2008年に出版され、マーベル・コミックの子会社、アイコン・コミックスから刊行されました。日本語版は2010年に小学館集英社プロダクションよりリリースされ、翻訳は光岡三ツ子が手掛けました。

あらすじ

物語の舞台はニューヨーク。普通の高校生であるデイヴ・リゼウスキは、スーパーヒーローの存在に憧れ、自らもヒーローとして街に立ち向かうことを決意します。彼はオリジナルのスーツとマスクを作成し、早速ヒーロー活動を始めるものの、特別な能力や強力な武器がないために、初任務であっさりと悪党にやられてしまいます。その後、リハビリを経たデイヴは松葉杖をつきながらも再びパトロールを再開。この活動がYouTubeに投稿され、彼は次第に「キック・アス」として知られるようになります。さらには、MySpace上でアカウントを開設し、助けを求める人々に手を差し伸べる活動も行い、ヒット・ガールというスーパーヒロインとの出会いも果たします。

プロモーション

本作の魅力的なポイントの一つとして、主人公の名前を賭けたチャリティ・オークションがありました。見事勝利したのはデイヴ・リゼウスキで、自分と同じ名前を付けることとなりました。

登場人物

キック・アス／デイヴ・リゼウスキ

デイヴは、特に優れた成績を収めているわけでも、学校で人気者というわけでもない、いわば日陰者の高校生です。スーパーヒーローコミックに夢中でありながらも、普通の高校生活を送っています。しかし、彼は「もし本当のヒーローが現れたらどうなるのか？」という疑問を持ち、自らキック・アスとしての活動を始めるに至りました。体力的にも自信がない彼は、活動するたびに危機に直面することが多々あります。

ヒットガール／ミンディ・マクレイディ

ヒットガールは、ニューヨークのマフィアを相手に戦うスーパーヒロインです。その実体は、父親であるビッグダディから厳しい戦闘訓練を受けた10歳（映画では11歳）の少女です。圧倒的な戦闘能力を持つ彼女は、成人男性にも立ち向かうことができ、凄まじい活躍を見せます。ヒットガールとしての彼女は黒髪のポニーテールですが、普段のミンディとしてはブロンドヘアをして過ごしています。

ビッグダディ／デーモン・マクレイディ

ヒットガールの父親であるビッグダディは、娘と共にヒーロー活動を行い、マフィアを無情に排除しています。彼は非常に保守的な理念を持つキャラクターであり、原作と映画では設定に大きな違いがあります。

レッドミスト

キック・アスの活動に影響を受けた新たなヒーローで、キック・アスに憧れを抱き、彼のサイドキックとなることを希望しています。

映画化

『キック・アス』は、コミックの創刊から1か月後の2008年5月より映画化に向けた脚色が開始されました。監督、製作、脚本をマシュー・ヴォーンが担当し、製作費の一部には彼の私財が使われています。協力として映画製作の共同プロデューサーにはブラット・ピットが名前を連ねています。特に11歳のヒットガール（演じるはクロエ・グレース・モレッツ）の過激なアクションは多くの国で問題視され、結果としてR指定を受けることになりました。また日本においてもR15+指定作品として公開されています。

まとめ

『キック・アス』は、単なるアクションヒーローものではなく、青年の成長と仲間との絆を描いた物語です。ストリートヒーローとしての活動を通じて、デイヴは一体何を学び、成長していくのか。彼の冒険は多くの読者や視聴者に刺激と笑いを提供しています。

もう一度検索