キッド・ニコルズ

チャールズ・オーガスタス・"キッド"・ニコルズ（Charles Augustus "Kid" Nichols、1869年9月14日 - 1953年4月11日）は、19世紀末にボストン・ビーンイーターズ（現在のアトランタ・ブレーブス）のエースとして活躍した、アメリカ野球殿堂入りの名投手です。右投げ両打ちで、その卓越した投球術と驚異的なスタミナで、数々の記録を打ち立てました。

生い立ちとプロ入り

1869年、ニコルズはウィスコンシン州マディソンで生まれました。父親は食料雑貨店を経営しており、幼少期に家族でミズーリ州カンザスシティに移住。兄弟が家業を手伝う傍ら、ニコルズは野球に打ち込みました。

1887年、ウエスタンリーグのカンザスシティ・カウボーイズでプロとしてのキャリアをスタート。その後、いくつかのチームを経て、1890年にボストン・ビーンイーターズに引き抜かれ、メジャーリーグデビューを果たします。当時20歳という若さでした。

メジャーリーグでの活躍

1年目から27勝19敗という好成績を挙げ、その才能を開花させます。翌年にはシーズン30勝に到達し、1894年まで4年連続で30勝以上をマーク。チームもナショナルリーグ3連覇を達成しました。この間、1893年に投手と本塁間の距離が延長されるルール変更がありましたが、ニコルズの成績に大きな影響はなかったようです。

1896年から3年連続でリーグ最多勝投手に輝き、チームのリーグ連覇に大きく貢献。1901年には、史上最年少の30歳で通算300勝を達成するという偉業を成し遂げました。

その後

その後、ウェスタンリーグでのプレーを経て、1904年にカージナルスからメジャーに復帰。この時も21勝13敗、防御率2.02という素晴らしい成績を残しました。1906年に引退後は、カンザスシティでプロボウラーに転身し、クラスAの大会で優勝するなどの活躍を見せました。

1949年、ベテランズ委員会によりアメリカ野球殿堂入り選手に選出され、1953年にカンザスシティで生涯を閉じました。

記録と特徴

ニコルズは通算361勝を挙げ、これは歴代7位の記録です。また、通算531完投は歴代4位、シーズン30勝を7回達成したのは歴代1位という、驚異的な記録を保持しています。そのスタミナと制球力は、他の追随を許しませんでした。



キッド・ニコルズは、19世紀末の野球界を代表する、不屈のエースでした。

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