完投

完投とは

完投（かんとう、英：Complete game / CG）とは、野球において先発[[投手]]が試合の終了時まで一人で投げ続けることを意味します。完投には試合の勝敗は関係なく、場合によっては「完投負け」という状況も発生します。また、完投はイニングの数に制約がないため、延長戦の場合でも全イニングを投げ切る必要があります。一方で、コールドゲームによって試合が途中で終了した場合でも、先発[[投手]]が最初から最後まで投げていれば完投として記録されます。加えて、最終回の攻撃中に代打や代走が出ても、そのイニングまで投げ終えた時点で完投が認められます。

完投の種類

完全に相手に得点を許さずに完投した場合は「完封」または「シャットアウト」として公式に記録されます。さらに、無安打無得点試合は「ノーヒットノーラン」、安打も四死球も許さない試合は「完全試合」と呼ばれます。また、失点があっても四死球を出さなかった試合は「無四球試合」として記録されることになります。

歴史的背景

野球が盛んになった19世紀には、優秀な投手が多数存在しないため、先発[[投手]]が試合を完投することが常態化していました。しかし、時間が経つにつれてリーグ全体の選手間の実力差が縮小し、投手の役割分担が明確になった結果、完投の頻度は次第に減少していきました。日本のプロ野球でも、先発[[投手]]が好調でない場合には懲罰的に完投させることがあるなど、完投に対する独自の見解が存在しています。

20世紀の変化

最初のプロ野球リーグが成立したアメリカのスポーツ界では、選手交代のルールが整う以前から完投が行われていました。1891年からは交代が可能になったものの、優れた投手が先発した試合の完投はしばらく続きました。特に、サイ・ヤングが持つ通算完投数749の記録は当時の投手交代が普及する以前のものです。20世紀に入ると、投手交代が戦術的に用いられるようになり、完投の割合は減少していきました。特に1960年代以降、今では完投は3割切ることが一般的です。

日本における完投

日本のプロ野球では、本来エースピッチャーが完投するのが当たり前とされていた時期がありましたが、1950年の2リーグ分立以降、選手のレベルが向上し、完投数は減少していきます。しかし、エースが完投すべきという意識は根強く残り、多くの選手がそれに応えていました。サンプルとして、1940年代には数多くの選手が高い完投数を誇っていましたが、1990年代に入ると完投数が減り始めます。特に1990年代の中頃からは、先発[[投手]]に対する起用方法が見直され、年間の完投数は急激に減少します。

現在の完投の状況

21世紀に入ると完投数はさらに減少し、最近ではパシフィックリーグでも年間1桁の完投を記録するチームが出現しています。これは、選手の移籍や故障リスクを考慮した結果であり、ますます継投野球が主流になっています。このような状況の中で、完投能力を持つ投手の存在はリリーフ投手の負担を軽減する貴重な要素とされ、今でも重要視されています。これからの野球界において完投はどのような位置づけになっていくのか、引き続き注目が集まります。

もう一度検索