キヌヤ

株式会社キヌヤ：地域に根ざしたスーパーマーケットチェーンの歩み

株式会社キヌヤは、島根県益田市に本社を置く、歴史あるスーパーマーケットチェーンです。1935年（昭和10年）の呉服店創業から始まり、幾多の変遷を経て、現在では島根県西部と山口県北浦地方を中心に24店舗を展開しています。CGCグループの一員として、地域社会への貢献を企業理念に掲げ、地元密着型の経営を続けています。

創業から百貨店時代へ

1951年（昭和26年）、衣料品販売業者や書籍販売業者など5社が合同で「益田綿業株式会社」を設立。これは競合回避と合理化を目的としたものでした。翌年には「株式会社きぬや百貨店」に商号変更し、1953年（昭和28年）には益田市初の百貨店として「きぬや百貨店」が開店しました。書店が設立メンバーに含まれていたことから、洋書販売も手がけていたことが伺えます。この百貨店時代には、地域社会への貢献を重視する姿勢が育まれ、後のスーパーマーケットとしての発展の礎となりました。

スーパーマーケットへの転換と地域密着戦略

1961年（昭和36年）、食品販売に着手。その後、浜田や萩などへの出店を経て、1968年（昭和43年）には「株式会社キヌヤ」に商号変更しました。1970年代には、山陰地方の有力小売企業との連携も開始し、事業規模を拡大していきました。1975年（昭和50年）には旗艦店となる益田ショッピングセンターが開店。この頃から、キヌヤは地域密着型のスーパーマーケットとして確固たる地位を築き始めました。

特に2010年（平成22年）からは、地産地消への取り組みを本格化。地元産の農産物や食品を「ローカルブランド(LB)」として積極的に販売し、益田産大豆を使った豆腐などがヒット商品となりました。売上高に占める地産品の割合は、2010年時点では約8％でしたが、20％という目標を掲げ、2020年（令和2年）には18.3％まで増加させることに成功しました。この取り組みは、地域経済の活性化にも大きく貢献しています。

現在のキヌヤと今後の展望

現在、キヌヤは島根県を中心に山口県、広島県にも店舗を展開し、地域社会に密着したスーパーマーケットとして親しまれています。2024年7月現在、島根県益田市に7店舗、浜田市に7店舗、江津市に3店舗、鹿足郡津和野町に1店舗、鹿足郡吉賀町に1店舗、山口県萩市に4店舗、広島県広島市に1店舗、合計24店舗を運営しています。長年にわたる合併や吸収合併を経て、現在の規模にまで成長しました。益田ショッピングセンターは2016年（平成28年）に建て替えられ、近代的な設備と快適な空間を提供しています。

キヌヤは、創業から80年以上、地域社会に貢献してきた歴史を持つ企業です。これからも「商業を通じて地域社会に奉仕する」という理念を胸に、地域に根ざしたスーパーマーケットとして発展を続けていくことでしょう。

過去の店舗情報

キヌヤはこれまで、多くの店舗を運営してきました。本稿では、代表的な店舗について、開店時期や売場面積などの情報を掲載しました。これらの店舗は、キヌヤの歴史を語る上で重要な存在であり、現在の発展の礎となっています。それぞれの店舗には、地域住民との思い出が詰まっていることでしょう。

まとめ

株式会社キヌヤは、呉服店から始まり、百貨店、そしてスーパーマーケットへと進化を遂げた、地域密着型の企業です。地産地消への積極的な取り組みや、長年にわたる地域住民との信頼関係は、キヌヤの大きな強みとなっています。今後も、地域社会に貢献し続ける企業として、その発展が期待されます。

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