キム・ヒョンジョン (歌手)

キム・ヒョンジョン

キム・ヒョンジョン（김현정、本名同じ）は、1976年4月4日生まれの韓国の女性歌手です。本貫は金海金氏に属し、1997年に音楽界へデビューしました。そのキャリアを通じて、特に173cmという際立った長身と、それを活かしたダイナミックなステージパフォーマンス、そして力強くハスキーでありながらも魅力的な歌声で知られています。国外では、台湾で「エイミー・キム」という名義を使用し活動した経験もあります。

彼女を一躍スターダムに押し上げたのは、デビュー翌年の1998年でした。1997年にリリースされたデビューアルバムは、当初十分なプロモーションが行き届かず、必ずしも大きな反響を得るには至りませんでした。しかし、セカンドアルバムの制作が進む中で、デビューアルバムに収録されていた「彼女との別れ」（그녀와의 이별）という楽曲が、メディアでの露出に先駆け、地方都市や大学街などでリスナーの間から自然発生的に人気が広がるという、異例の現象を見せ始めました。これは、従来のヒット曲の誕生とは異なる、非常に珍しいケースとして注目されました。

リスナーによる熱狂的な支持を受け、「彼女との別れ」は1998年5月にリミックスバージョンとして新たに発表されます。このリリースに合わせて、韓国屈指の振付師として名高いホン・ヨンジュ氏らが率いるダンスチームと共に、パワフルかつ洗練されたダンスパフォーマンスを取り入れたステージ活動を本格化させました。この戦略が見事に奏功し、彼女は瞬く間に各テレビ局の音楽番組チャートや各種ランキングで軒並み1位を席巻。「彼女との別れ」は社会現象とも言うべき大ヒットとなり、一大ブームを巻き起こしました。女子高時代にヘビーメタルバンドでボーカルを担当していたという背景を持つ彼女の、豊かで力強い声量と表現力豊かな歌声は、単なるポップス歌手の枠を超え、10代の若者から中高年層まで、幅広い世代からの熱烈な支持を集めました。その登場は、外見だけでなく卓越した実力で勝負するアーティストの存在を改めて示し、当時の韓国歌謡界に新たな活力を吹き込んだと言われています。

歌手としての活動と並行して、キム・ヒョンジョンは他の分野でも才能を示しています。2012年10月から2013年1月にかけて放送されたKBSの大河ドラマ『大王の夢』では、女戦士ミョラン役で出演し、女優としての顔も見せました。また、漫画家パク・ムジクが手がけた少女漫画『T.R.Y Take off Rush Youth』の原作を担当するなど、クリエイティブな才能も発揮しています。

彼女のこれまでの音楽活動は、多数のアルバムやシングルとして結実しています。主なディスコグラフィには以下の作品があります。

1集 - 그녀와의 이별（クニョワエイビョル：彼女との別れ）（1997年）
2集 - 되돌아온 이별（テドラオンイビョル：帰ってきた別れ）（1999年）
3集 - 멍（モン：あざ）（2000年）
4集 - Wild Beauty（2001年）
5集 - Diet（2002年）
6集 - Hit For Six（2003年）
7集 - I LOVE SOUL（2004年）
Fun Town 20 (2005年) - リード曲「아파요（アッパヨ）」は桂銀淑のヒット曲「すずめの涙」の韓国語カバーとして知られる
Dance with Hyun Jung (2006年)
8集 In And Out (2008年)
Gold miss goes song (2009年)
1 MINUTE 1 SECOND(2011年)
お世辞(2015年)
Together Forever 18 (2015年)
SBS Drama O.S.T 姉は生きている(2017年)
TVN Drama O.S.T ぞんざいなヨンエ氏 (2017年)
* Holeman is back (2020年)

パワフルな歌唱力と個性的なキャラクターで、90年代後半から2000年代にかけて韓国音楽界に大きな足跡を残したキム・ヒョンジョンは、今もなお多くのファンに支持される存在です。

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