キム・ワイルド

キム・ワイルド（Kim Wilde）、本名キム・スミスは、1960年11月18日、ロンドン郊外のミドルセックス州チジックで生まれました。彼女は、父親が歌手のマーティー・ワイルド、弟のリッキーも歌手という音楽一家で育ちました。

1980年にデビューしたキムは、ファーストシングル「Kids In America」が全英2位、全米25位を記録し、一躍脚光を浴びました。1982年には、土屋昌巳のプロデュースで「Bitter is Better」をリリースし、日本の清涼飲料水カルピスのCMにも出演するなど、日本でも人気を博しました。

その後、数々のヒット曲をリリースしますが、次第に人気は落ち着きを見せます。しかし、1986年にシュープリームスのカバー「キープ・ミー・ハンギン・オン」をリリースすると、再びラジオ局で話題となり、全英2位を獲得、アメリカでは見事全米1位に輝きました。翌年には、コメディアンのメル・スミスとのデュエット曲「Rockin' Around the Christmas Tree」が全英3位を記録しました。また、ビージーズのカバー曲「If I Can't Have You」も広く知られています。彼女は、マイケル・ジャクソンのヨーロッパツアーで前座を務めるなど、世界的な活躍を見せました。

近年では、音楽活動に加えガーデニングに熱中し、関連書籍も出版しています。2006年には、ドイツの歌手ネーナとデュエットした曲がドイツでヒットし、アルバム『ネバー・セイ・ネバー』にもネーナが参加しています。現在では、本国イギリスよりもヨーロッパ本土での人気が高いようです。

2013年には、チャリティイベント『コミックリリーフ』で、高度13106mを飛行中のボーイング767機内でコンサートを開催し、「最も高い高度でのコンサート」としてギネス世界記録に認定されました。

キム・ワイルドは、その音楽キャリアを通じて、数々のスタジオアルバムやコンピレーションアルバムをリリースしています。代表的なアルバムには、『誘惑のキム』(1981年)、『セレクト』(1982年)、『CLOSE』(1988年)、『ネバー・セイ・ネバー』(2006年)、『Here Come the Aliens』(2018年)などがあります。コンピレーションアルバムでは、『ベリー・ベスト・オブ・キム・ワイルド』(1984年)や『ポップ・ドント・ストップ〜グレイテスト・ヒッツ』(2021年)などがリリースされています。

彼女の音楽は、1980年代のシンセポップ、ニューウェーブを代表するものであり、現在でも多くのファンに愛され続けています。彼女の多岐にわたる活動は、音楽シーンのみならず、ガーデニングの世界でも注目されています。

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