キャスパ (福山)

キャスパの歴史と概要

キャスパ（CASPA）は、広島県福山市三之丸町に位置していたショッピングセンターです。時代の流れの中で地域の商業を支え続けてきたキャスパは、その歴史とともに地域の発展の象徴でもありました。

開業と成長

キャスパは1976年6月に、鞆鉄道バスセンター跡地にオープンしました。当初は「福山駅前共同ビル」として、地元のスーパー・イズミの福山店を核テナントとし、ファッション雑貨店や飲食店など多彩な専門店が集結していました。その後、1987年に「キャスパ」と改称され、運営会社はイズミとトモテツセブンから50%が出資する「有限会社キャスパ」に変更されました。

この頃からキャスパは若者向けファッションを中心に人気を集め、1990年代には約120店舗が入居する流行の発信地となりました。キャスパは福山駅南口からすぐ隣という立地の利点を生かし、多くの人々に親しまれていたのです。

経済的影響と閉店

しかし、次第に郊外型のショッピングセンターの増加に伴う集客力の低下や、リーマンショック後の経済情勢が影響を及ぼしました。2011年には核店舗であったフレスタが隣接ビルのアイネスフクヤマに移転することが発表され、テナントの流出が相次ぎました。その時点で残っていた店舗数は約40まで減少し、キャスパの魅力は失われていきました。

最終的に、2011年8月には2012年1月31日をもって閉店することが決定し、キャスパは歴史の幕を閉じました。なお、姫路市にも同名の商業施設が存在していましたが、キャスパとは特に関係はありません。

閉店後の動向

キャスパの跡地に関する活用計画は閉店当初は未定でしたが、徐々に動きがありました。建物の一部はテナントが継続営業しており、その後、地元の行政と協力して再開発の話が進みました。2014年には耐震改修と全面的な改修が計画されましたが、2016年時点での進展は見られませんでした。

2017年には高松市の穴吹興産がイズミ所有の土地を取得し、2018年にはキャスパと隣接する「と～ぶホテルビル」の解体が発表され、新たな建物の建設計画が進みました。2020年代にかけて、跡地には22階建ての事務所・マンションやホテルが建設される予定です。

名称の由来

キャスパの名称は、5つの英単語の頭文字を組み合わせたもので、「Core」「Accord」「Scrupulous」「People」「Area」を由来としています。これには街の核としての役割や、地域の人々のための新しい楽しみの提供という意味が込められています。

かつてのテナント

キャスパには様々な店舗が入居していました。その中にはスターバックスコーヒー、サーティワンアイスクリーム、無印良品、アニメイト福山店など、多くの人々に愛されるお店がありました。特にファッション関連の専門店が多数存在し、地域のショッピング文化にも貢献しました。

ポイントカード制度

また、キャスパでは独自のポイントカードシステムを導入しており、顧客は買い物を通じてポイントを貯めることができる仕組みがありました。これにより、リピーターを増やし、地域経済にも寄与していたと言えます。

キャスパは福山の商業の中心として多くの人に親しまれ、地域の経済と文化に大きな影響を与えた施設でしたが、時代の変化とともにその役割は変わっていきました。

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