キャップ (電子掲示板)

匿名掲示板におけるキャップシステム

インターネット上の匿名掲示板において、投稿者の身元を特定したり、特定の役割を持つユーザーを識別するために用いられるシステムとして「キャップ」があります。本稿では、キャップシステムの概要、特に2ちゃんねる、まちBBS、したらば掲示板における運用方法、キャップの種類、歴史、役割について詳述します。

2ちゃんねるにおけるキャップシステム

2ちゃんねるにおいてキャップは、当初、運営者や発言が本人であることを証明するために導入されました。初期は、名前欄に特定の単語を入力するとダブルクオートで囲まれる方式でしたが、システム負荷軽減のため「赤キャップ」（名前が赤文字）に移行。その後、現在の「○○ ★」という形式に落ち着きました。

この★は、メール欄に設定されたパスワードを入力することで表示され、パスワードを知らない者は表示できません。これは、投稿者の本人確認を容易にする仕組みです。ごく一部の単語（「管理」「削除」など）では、初期のダブルクオート方式が現在も使われています。

現在、キャップは運営に関わるボランティアや、発言の信憑性を証明する必要があるユーザーに発行されています。メール欄に「#パスワード」を入力することで、名前欄に「文字列 @ ○○ ★」という形で表示されます。トリップとの併用も可能です（「文字列 ◆トリップ @ ○○ ★」）。キャップ使用時には、IDやリモートホストが表示されない設定になっています。

かつては固定ハンドルユーザーにもキャップが発行されていましたが、トリップ導入後は原則として発行されません。ただし、例外もあります。2016年2月には運用情報臨時板で多くの固定ハンドルキャップが発行されました。

キャップはサーバーごとに付与され、全サーバーで使用可能なキャップを持つユーザーはごくわずかです。キャップの剥奪は、ボランティアの不正行為や重大なミスを犯した場合に行われます。重大なミスには、★の前に「▲（おにぎり）」が付加されることがあります。

FOX★のキャップ

2ちゃんねるで規制等のほぼ全権を掌握するFOX★は、キャップの設定権を持ち、頻繁にキャップを発行します。自身の批判をかわす目的で、自身に多くのキャップを発行することもあります。例として、「旧夜勤 ★」、「仕事人 ★」、「ちょろ ★」、「めぐみ ★」など多数のキャップが挙げられます。ログ開示用スクリプトには「田吾作 ★」、「軽快うねっこ ★」などが使われます。以前は「FOX ★」は運営陣の共有ハンドルでした。

その他のキャップ

2ちゃんねるのボランティア活動は役割別に細分化されており、各分野には統括者が配置されています。統括者のキャップ名は特定の文字列を含まないことが多いです。設定権限は必須ではありません。削除人は全員キャップを保持し、キャップ名に「削」「サク」「でり」などの文字列が含まれることが多いです。復帰屋は「復帰」の文字列、案内人は「案内」「ガイド」「メイド」「執事」などの文字列が含まれています。Rockerは「Rock」、串焼き人は「焼」、報告人は「報告人」の文字列が含まれます。

+系の板（ニュース速報+板など）では記者ボランティアが存在し、「○○ φ ★」などのキャップが与えられます。φの数は役割を示し、一般記者はφ★、支局長はφφφ★などです。一定期間キャップを使用しないと自動で剥奪される場合があります。

まちBBSにおけるキャップシステム

まちBBSでは、開設者と各板・全体の管理者のみがキャップを持つことができます。キャップは全板共通で、かつては赤キャップのみでしたが、2007年からは「○○ ◆」形式も導入されました。

したらば掲示板におけるキャップシステム

したらば掲示板では、管理者が認めたユーザーのみが、その掲示板内でキャップを使用できます。2ちゃんねるのスクリプトを流用した経緯から、当初は赤キャップでしたが、現在は「○○ ★」形式に移行しています。

まとめ

キャップシステムは、匿名掲示板における本人確認や役割分担、運営管理に重要な役割を果たしています。その運用方法は掲示板によって異なり、歴史的経緯や運営方針を反映しています。 本稿で紹介した情報以外にも、それぞれの掲示板で独自の運用方法やルールが存在している可能性があります。

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