キャデラック・XLR

キャデラック XLR/XLR-V：高級ロードスターの栄光と終焉

[キャデラック]]XLRとXLR-Vは、ゼネラルモーターズ]が展開する[[高級車ブランド、キャデラックが製造・販売した2シーターのクーペカブリオレです。アランテ以来となるキャデラックのロードスターとして、一時はブランドのフラッグシップモデルとしての地位を確立しましたが、2008年のリーマンショックによる販売不振とGMの経営再建策の影響を受け、2009年に生産を終了。その後も在庫販売が続けられましたが、2010年には完全に姿を消しました。

XLR：洗練されたデザインと力強い走り

XLRは、1999年に発表されたコンセプトカー「エボーク」をベースに開発されました。2003年の北米国際オートショーで正式に発表された量産モデルは、6代目シボレー・コルベットと同じGMのYプラットフォームを採用しながらも、独自の個性を際立たせています。

パワートレインには、シボレーコルベットとは異なるエンジンを搭載。STSやSRXにも搭載された、ノーススター4.6L V型8気筒DOHCエンジンは、最高出力324ps、最大トルク42.8kgmを発生。FF車用をベースにFR用に改良され、吸気側に可変バルブ機構も備えています。トランスミッションは5速ATのみの設定で、MTモデルは存在しませんでした。駆動方式はFRです。

ボディは、電動式のアルミニウム製メタルトップを採用。クーペのような静粛性とオープンエアの爽快さを両立する、魅力的なスタイルを実現しています。インテリアは、運転席と助手席が対称となるデュアルコックピットを採用。さらに、メーター周りとキーリモコンのデザインは、イタリアの高級ブランドブルガリが手がけ、スピードメーターやスマートキーにはブルガリのロゴが刻印されています。

日本市場においては、2004年3月から販売が開始されましたが、価格は1150万円と高額であり、左ハンドル仕様のみの設定でした。当初は右ハンドル仕様も検討されていましたが、GMの経営状況悪化により開発は中止されています。2004年度の北米カー・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされたものの、受賞はなりませんでした。北米市場では2007年モデルから6速ATへの変更が行われましたが、日本市場ではXLR-Vへの移行に伴い導入されませんでした。

XLR-V：更なる高みを目指したパフォーマンスモデル

2005年、スーパーボウルのCMでその姿が公開され話題を呼んだXLR-Vは、XLRをベースにした高性能モデルです。同年ニューヨーク国際オートショーで正式に発表され、ノーススター4.4L V型8気筒DOHCエンジンにスーパーチャージャーを搭載。最高出力は443ps、最大トルクは57.2kgmにまで向上しました。トランスミッションは6速ATを搭載。エンジンのパワーアップに合わせて、コルベット用の大径ブレーキローターも装備され、よりスポーティな走りを実現しています。

北米では2006年初頭に発売されましたが、価格は当初9万8000ドルから10万ドルに値上げされ、GMのラインナップの中で最も高額なモデルとなりました。日本では2007年11月より2008年モデルとして販売が開始されましたが、受注生産で、価格は1360万円でした。日本仕様はXLR-Vのみとなり、標準モデルのXLRは導入されませんでした。

キャデラックロードスターの系譜

キャデラックXLRとXLR-Vは、GMの経営環境の変化と販売状況によって、短い期間で生産を終了したモデルです。しかし、その洗練されたデザイン、力強いエンジン、そして高級感あふれるインテリアは、多くの自動車ファンを魅了しました。これらのモデルは、キャデラックの歴史において、忘れがたい存在として記憶されています。そして、このモデルが最後にキャデラックのロードスターモデルとなりました。

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