キャニオン (自転車)

キャニオン（Canyon Bicycles GmbH）

キャニオン（Canyon Bicycles GmbH）は、ドイツのコブレンツに本社を置く、総合自転車メーカーです。ロードバイク、マウンテンバイク、トライアスロンバイクといった競技用自転車を中心に製造・販売しています。ダイレクトセールス方式を採用し、高品質な製品を比較的リーズナブルな価格で提供しているのが特徴です。

沿革

1985年、ローマン・アーノルドと彼の兄弟であるフランツ・アーノルド（現在は企業運営には関与していません）が、自転車パーツの販売会社「Radsport Arnold GmbH」を設立したのが始まりです。1996年以降に「キャニオン」ブランドが登場し、インターネットを活用したダイレクトセールス戦略を採用しました。

2001年、自転車本体の製造・販売に事業を転換し、社名を「Canyon Bicycles GmbH」に変更。フレームデザイナーとしてLutz Schefferを迎え、数年後にはHans Chrstian Smolikを採用し、開発体制を強化しました。2006年には、新たな企業デザインを発表し、数々のデザイン賞を受賞しています。

自転車競技との関わり

創業当初から自転車競技との関わりが深く、1985年にはJürgen Zäckと契約し、最初の成功を収めました。ロードレース分野では、多くのプロチームと協調しており、Unibet.com、Katusha、MovistarなどがCanyonのロードバイクを使用しています。2014年のジロ・デ・イタリアでは、ナイロ・キンタナが総合優勝を果たし、Canyonバイクの性能を世界に示しました。その他、カデル・エヴァンスが2009年世界選手権ロードレースで優勝、アレクサンダー・クリストフが2014年ツール・ド・フランスで2つのステージ優勝、ヤン・フロデノが2015年アイアンマン・ヨーロッパ選手権とアイアンマン世界選手権で優勝するなど、数々の実績を残しています。また、2016年からは女子サイクリングのトップチームのスポンサーも務めています。

トライアスロンやロードレースだけでなく、マウンテンバイクの選手も支援しています。

プロジェクトバイク

キャニオンは、革新的な技術を追求するプロジェクトバイクを開発しています。

2005年 Project 3.7：当時最軽量のロードバイク（総重量3.7kg）
2006年 Project 6.8：UCIプロツアーで認可された、ディスクブレーキ搭載の最軽量ロードバイク
2007年 Project 0.05：空気抵抗を極限まで減少させたトライアスロン用バイク。ブレーキをフレーム内部に統合し、ハンドルバーにドリンク供給システムを搭載
2008年 Project 0.01：フルサスペンションロードバイク。快適性を高め、ライダーの筋肉への負担を軽減
2009年 Project S5：初のマウンテンバイクプロジェクト。重量12kg以下のフリーライド用バイク

その他のブランディング戦略

スイスでは、すでに「Canyon」というブランド名の自転車メーカーが存在したため、一時的に「Pure Cycling」という名称を使用していました。

2015年11月以降、全社IT基盤の標準化後に顧客サービスの低下が発生し、評価を下げることになりました。サプライチェーンの欠陥によるスペアパーツの供給遅延も発生し、顧客サービスの軽視を批判されました。2016年2月には、創業者CEOが顧客からの批判に対し公式に謝罪し、改善策を公表しました。

外部リンク

キャニオン公式サイト

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