キャノンボール (映画)

映画『キャノンボール』：大陸横断レースの興奮と笑いが詰まったカーアクション超大作

1981年、20世紀フォックスとゴールデン・ハーベストが共同制作した映画『キャノンボール』は、アメリカ大陸を横断する非公認レース「キャノンボール・ベーカー・シー・トゥー・シャイニング・シー・メモリアル・トロフィー・ダッシュ」をモチーフにした、痛快なカーアクションコメディです。監督のハル・ニーダムと脚本家のブロック・イェーツは、この映画制作のため自らもこの過酷なレースに参戦したというエピソードも有名です。

オールスターキャストが織りなす、予測不能な展開

本作は、バート・レイノルズ、ドム・デルイーズ、ジャッキー・チェン、ロジャー・ムーアなど、当時を代表する豪華俳優陣が出演。それぞれのキャラクターが持つ個性と、個性的なマシンが織りなす化学反応は、本作最大の見どころです。

主役のJ.J.マクルーア（バート・レイノルズ）は、陸海空の運送業を営む傍ら、モータースポーツに情熱を燃やす人物。彼は、大陸横断レースへの異常なまでの執着を見せ、常軌を逸した行動を繰り返します。相棒のビクター・プリンズム（ドム・デルイーズ）は、お人よしで食いしん坊なメカニック兼ドライバー。J.J.の突拍子もない計画に振り回されながらも、高いドライビングテクニックで彼をサポートします。彼らのマシンは、改造された救急車。この奇抜な選択も、本作の魅力の一つです。

他にも、神父に扮した詐欺師コンビ、007シリーズを思わせるスパイ風な御曹司、日本のハイテクマシンで参戦する日本人コンビ、セクシーな美女コンビ、NASCAR風マシン、そしてバイクで参戦する新婚カップルなど、多種多様な参加者たちが、個性あふれるマシンでレースに挑みます。

スリリングなカーチェイスとユーモラスな展開

アメリカ東海岸から西海岸までの広大な大地を舞台に繰り広げられるカーチェイスは、手に汗握る迫力満点のシーン。参加者たちは、警察の追跡をかわすため、様々な策略を仕掛けます。一方、コミカルなシーンも多く散りばめられ、観客を笑わせます。例えば、J.J.の飲酒運転や、セスナ機での着陸、そして神父コンビの悪巧みなどは、本作を単なるカーアクション映画ではなく、コメディ要素も強い作品にしています。

特に、J.J.とビクターの救急車コンビは、常にハプニングに見舞われながら、他の参加者たちとユーモラスなやり取りを繰り広げます。彼らは、レース中にトラブルに遭遇したり、他の参加者と衝突したり、警察に追いかけられたりしながらも、持ち前の明るさと機転で難局を乗り越えていきます。

キャノンボールのテーマと興行収入

レイ・スティーブンスが歌う主題歌「キャノンボールのテーマ」も大ヒットし、映画全体の雰囲気を盛り上げています。日本での配給収入は20億円を超え、同年公開の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》|レイダース_失われたアーク《聖櫃》』、『ロッキー3』を上回る大ヒットを記録しました。しかし、ジャッキー・チェンとマイケル・ホイの地元である香港では、意外にもあまり人気がありませんでした。

まとめ

『キャノンボール』は、豪華なキャスト、スリリングなカーチェイス、そしてユーモラスな展開が絶妙に融合した、娯楽性抜群のカーアクション映画です。個性豊かなキャラクター、予測不能な展開、そして忘れられない名シーンの数々は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。もし、痛快なカーアクションと笑いを求めているなら、この映画はまさにうってつけの作品でしょう。

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