キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル（Cavalier King Charles Spaniel）は、イギリス原産の小型犬で、スパニエル種に分類されます。日本では一般的に「キャバリア」または「キャバ」と略称で呼ばれています。

その名前の由来は、「キャバリア」が騎士を意味し、その名の通り、優雅で堂々とした風格を持ち合わせていることに由来します。また「キングチャールズ」は、イングランド王チャールズ1世とチャールズ2世がこの犬種を溺愛したことにちなんでいます。

歴史

キャバリアは、長らくイギリス王室の愛玩犬として愛されてきました。18世紀になると、短吻種が流行した影響で、パグなどとの交配により現在のキング・チャールズ・スパニエルが誕生します。しかし、19世紀初頭にアメリカ人のロズウェル・エルドリッジが、チャールズ2世時代の絵画に描かれたキャバリアの姿を復活させようと、高額な懸賞金をかけました。その結果、ブリーダー達が、キング・チャールズ・スパニエルから時折生まれる先祖返りの個体を元に、チャールズ2世時代の姿に近い犬種を固定化させることに成功し、「キャバリア・キングチャールズスパニエル」と名付けられました。

特徴

外見

キャバリアは、体重9～11kg、体高30～33cmの小型犬です。大きな垂れ耳と大きな瞳、平坦な頭頂が特徴的です。被毛は絹糸のように美しく、生後2～3年頃から足、耳、胸などに飾り毛が発達します。

性格

キャバリアは、穏やかで愛情深く、遊び好きで物静かな性格です。他の犬やペット、見知らぬ人にも社交的で、人に触られることを好みます。飼い主には従順で、スキンシップを求めて膝に乗ってくることもあります。一方で、寂しがり屋な一面も持ち合わせています。

疾病

キャバリアは、いくつかの遺伝性疾患に注意が必要です。

心臓疾患（僧帽弁閉鎖不全症）

キャバリアは、心臓の病気である僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすい犬種です。この病気は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁の異常によって起こります。高齢になるほど発症率が高くなり、16歳になると75%もの個体がこの病気を抱えていると言われています。また、キャバリアは若いうちから発症するケースも多く、1歳で33％、4歳以上では60％に及ぶという報告もあります。

脊髄空洞症

脊髄空洞症もキャバリアに多く見られる遺伝性疾患です。頭蓋骨が脳に対して小さいため、脳脊髄液の流れが阻害され、圧力が高くなることで発症します。他の犬種では珍しい病気ですが、キャバリアでは90％以上が何らかの問題を抱えているという調査結果もあります。症状としては、頭の後ろを触られるのを嫌がったり、首輪を気にしたり、しきりに頭の後ろを掻くなどの行動が見られます。

その他の疾病

高齢になると、腎臓機能の低下による腹水や、心臓病による肺の圧迫で咳が止まらなくなるなどの症状が現れることがあります。また、外耳炎や目のトラブルも起こりやすい傾向にあります。

品種改良に関する問題

キャバリアは、品種改良に起因する遺伝性疾患の多さから、2022年1月にノルウェーでブリーディングが違法となりました。

種類

キャバリアには、以下の4種類の毛色が存在します。

ブレンハイム
トライカラー
ブラックタン
ルビー

関連項目

犬の品種一覧
カムファター
グレディン・スパニエル
トイ・トローラー・スパニエル

脚注

外部リンク

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエ - 社団法人ジャパンケネルクラブ
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル - アニマルプラネット

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