キャプテンウルトラ

『宇宙特撮シリーズ キャプテンウルトラ』

概要

『宇宙特撮シリーズ キャプテンウルトラ』は、1967年4月から9月にかけてTBS系列で放送された特撮テレビドラマで、全24話が放映されました。この作品はTBSのウルトラシリーズ第3弾であり、東映が制作した国産初の本格的なスペースオペラです。製作の契機は、東映の渡邊亮徳がS-Fマガジンで小説『キャプテン・フューチャー』に触発されたことにあります。

日本国内では、1966年の『ウルトラQ』と『ウルトラマン』が高視聴率を記録し、怪獣ブームを巻き起こした一方、円谷特技プロが『ウルトラマン』の制作に追われる中、武田薬品工業とTBSは新たなウルトラシリーズを望んでいました。そこで、東映はTBSに「宇宙大戦争」という企画を持ち込むことで新番組の制作を依頼し、キャプテンウルトラの製作がスタートしました。

ストーリー

物語は、21世紀後半の宇宙開拓時代を舞台にしています。宇宙開発が進み、未知の危険が人類を待ち受ける中、宇宙ステーション「シルバースター」には宇宙警察パトロール隊が編成されます。この隊員、キャプテンウルトラ（本郷武彦）は能力に優れた若者で、彼の仲間であるキケロ星人のジョーや万能ロボットのハックと共に、宇宙船シュピーゲル号を駆って様々な敵と戦います。

前半12話は、太陽系への移住を目指すバンデル星人との戦闘に焦点を当てています。登場怪獣は限られていましたが、13話からの新展開では「怪獣ぞくぞくシリーズ」へと移行し、各話で新たな怪獣が登場することになります。また、キャプテンウルトラは、宇宙船シュピーゲル号で仲間と共に危機に立ち向かい続けます。

特撮・キャラクターの魅力

シュピーゲル号のデザインや特撮技術は、学生やプロの協力によって生まれました。3機が分離・合体するこの宇宙船は、特撮技術の先駆けとして位置づけられています。しかしその撮影は、吊り下げた機体の分離タイミングが非常に難しく、撮影は厳しい条件下で続けられました。キャプテンウルトラを主人公とし、彼の仲間やロボットたちの個性も光ります。

キャプテンウルトラは25歳の優れたパイロットで、特技を持つ英雄的存在です。他にも、アカネ隊員やキケロ星人のジョー、万能ロボットのハックなど、様々なキャラクターが物語の中で活躍し、視聴者に希望と勇気を与えています。

文化的な影響

放送当時、ウルトラシリーズと比較されることが多く、視聴者からは異なる感情が寄せられました。特に『ウルトラマン』のファンからは落ち着いた作風に対する複雑な反応もありましたが、それが逆に記憶に残る要素ともなりました。また、放送中には特別イベントが開催されるなど、子供たちの人気も集め、一部のキャラクターは続編などで顧みられました。

現在でも、キャプテンウルトラは特撮作品の中で重要な地位を占めており、その影響は今でも多くの作品に見ることができます。文化的な象徴として、特撮ファンや新しい世代にまで受け継がれています。

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