キャプテン・アンド・ザ・キッド

キャプテン・アンド・ザ・キッド

『キャプテン・アンド・ザ・キッド』は、エルトン・ジョンが2006年にリリースしたアルバムであり、1975年の代表作『キャプテン・ファンタスティック』の続編と位置づけられています。このアルバムは、エルトンが60歳を迎える直前に自身の人生を総括する内容となっており、特に彼の音楽キャリアの節目を意識した作品とも言えるでしょう。

本作は、アメリカに住む作詞家バーニー・トーピンとの久しぶりの対面による打ち合わせを経て制作されました。近年は主にFAXでのやり取りが行われていましたが、顔を合わせての新たなインスピレーションが加わりました。アルバムのジャケットには、牧場でピアノを弾くエルトンと馬に乗ったバーニーの姿が描かれており、彼らの初期のコラボレーションに対するオマージュとも解釈できます。

音楽的には、アメリカンロックの要素が強く、キャッチーで親しみやすい楽曲が揃っています。また、アルバムタイトル曲である「キャプテン・アンド・ザ・キッド」では前作のタイトル曲のイントロが使用されるなど、ファンへのサービスも充実しています。

収録曲には多様なタイトルが揃っており、以下に一覧を示します：

• - リチャード・ニクソンからの葉書 - Postcards from Richard Nixon
• - ノアの箱舟のように - Just Like Noah's Ark
• - エニー・アザー・ウェイ(NYC) - Wouldn't Have You Any Other Way (NYC)
• - ティンダーボックス - Tinderbox
• - アンド・ザ・ハウス・フェル・ダウン - And the House Fell Down
• - ブルース・ネヴァー・フェイド・アウェイ - Blues Never Fade Away
• - ザ・ブリッジ - The Bridge
• - アイ・マスト・ハヴ・ロスト・イット・オン・ザ・ウィンド - I Must Have Lost It On The Wind
• - オールド'67 - Old '67
• - キャプテン・アンド・ザ・キッド - The Captain and the Kid

歌詞のみが記載されている「12」という曲が存在するものの、その制作状況は不明です。さらに、アルバムには未収録曲「アクロス・ザ・リヴァー・テムズ」もあり、聴く者にとっては興味深いポイントとなっています。

このアルバムの制作には、エルトン・ジョンをはじめとした多彩なミュージシャンが参加しています。具体的には、デイビー・ジョンストンが音楽ディレクターとして多くの楽器を担当し、ナイジェル・オルソンがドラムを手がけています。ガイ・バビロンはアレンジとキーボードを担当し、ボブ・バーチェはベース活躍しています。また、ジョン・マホーンがパーカッションを、Matt Stillがバックボーカルを担当するなど、豪華なメンバーによる協力が光ります。これらの共同作業により、本アルバムは聴きごたえのある一枚となりました。

総じて『キャプテン・アンド・ザ・キッド』は、エルトン・ジョンのキャリアの集大成とも言える作品であり、音楽ファンにとっては見逃せないアルバムであることは間違いありません。

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