キャプテン・ロン

キャプテン・ロン

『キャプテン・ロン』（原題：Captain Ron）は、1992年にアメリカ合衆国で製作されたアドベンチャー・コメディ映画です。日本では翌年の1993年に公開され、『キャプテン・ロン あこがれのカリブ海クルーズ』の邦題でも親しまれています。主演は、ワイルドな魅力を放つ名優カート・ラッセルが務めています。

あらすじ

物語の中心となるのは、シカゴで平穏に暮らすハーヴェイ一家です。一家の大黒柱であるマーティンは、ある日、亡き叔父から思いがけない遺産を相続します。それは、なんと一隻のエンジン付き大型帆船でした。マーティンは、この船を引き取って家族でカリブ海のバカンスを楽しもうと計画し、妻のキャサリン、娘のキャロライン、息子のベンと共に、船が係留されているカリブ海の島へと旅立ちます。

ところが、現地に到着した彼らの目に飛び込んできたのは、想像とは全く異なる、悲惨な光景でした。叔父が所有していた船は、マーティンが子供の頃に乗ったきり、数十年間も手入れされることなく放置されていたのです。船体は傷み、機関は不調、航海に耐えられる状態ではありませんでした。

途方に暮れるマーティンは、船会社の紹介を受け、船を動かせるプロの船長を雇うことを決意します。そこに現れたのが、本作のタイトルロールでもあるキャプテン・ロンでした。黒い眼帯を着け、肌は真っ黒に日焼けし、どこからどう見ても海賊さながらの風貌をしたロンに、一家は戸惑いを隠せません。

しかし、ロンは見た目とは裏腹に、長年放置されていた船を手際よく整備し、あっという間に航海可能な状態に立て直します。こうして、ハーヴェイ一家はロン船長と共に、念願のカリブ海クルーズへと出発します。

ところが、彼らはまだ知りませんでした。雇った船長が、航海のプロではあるものの、そのやり方は常に型破りで、時に常識外れの行動をとる人物であることを。ロン船長の奔放なリードによって、彼らのカリブ海クルーズは、次から次へと予期せぬ出来事が巻き起こる、波乱に満ちたものへと変貌していきます。平凡な日常を送ってきたハーヴェイ一家は、この予測不能な船長と共に、様々なトラブルや珍事に巻き込まれながら、思い描いていたバカンスとは全く異なる、スリリングでコミカルな冒険を繰り広げることになるのです。

キャスト

本作の主要キャストは以下の通りです。

ロン船長：カート・ラッセル（吹替：大塚明夫）
マーティン・ハーヴェイ：マーティン・ショート（吹替：山寺宏一）
キャサリン・ハーヴェイ：メアリー・ケイ・プレイス（吹替：さとうあい）
ベン・ハーヴェイ：ベンジャミン・ソールズベリー
キャロライン・ハーヴェイ：メドウ・シスト
ドナルドソン：ポール・アンカ（吹替：秋元羊介）
* その他：エマヌエル・ログロノ、ホルヘ・ルイス・ラモス、J・A・プレストン、クラリス（ロゼリン・サンチェス）、ビル（ダン・バトラー／吹替：藤城裕士）、トム・マッゴーワン

『キャプテン・ロン』は、平凡な家族が予期せぬ形で巻き込まれる大冒険と、個性的なキャラクターたちが織りなすユーモラスなやり取りが魅力の作品です。カリブ海の美しいロケーションを背景に、笑いとスリルに満ちた航海が描かれます。

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