キャリー (1976年の映画)

映画『キャリー』について

『キャリー』（原題: Carrie）は、1976年に公開されたアメリカのホラー映画で、スティーヴン・キングの同名小説を基にしています。本作は、ブライアン・デ・パルマが製作・監督を務め、キャリーを演じたシシー・スペイセクと、彼女の狂信的な母親役のパイパー・ローリーがそれぞれアカデミー賞にノミネートされるなど、評価の高い作品となっています。また、1977年のアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭ではグランプリを受賞しました。

ストーリー概要

物語は、ベイツ・ハイスクールに通う内気な少女キャリーの視点で展開されます。彼女は常にクラスメイトたちからいじめに遭い、その孤独な生活を送っています。ある日、体育の授業後に初潮を迎えたキャリーは、自身の体に関する理解がないまま衝撃を受け、クラスメイトたちの嘲笑にさらされます。この出来事によって、キャリーの内なる怒りが芽生え、物語は恐ろしい方向へと進んでいきます。

その後、いじめを反省した生徒スーの計らいで、キャリーはプロムパーティーに誘われます。トミーと呼ばれる男生徒の優しさに触れ、彼女は少しずつ自信を取り戻します。しかし一方で、過酷な体育授業から逃げたクリスは、キャリーに対する復讐を誓い、仲間のビリーと共に恐ろしい計画を立てます。彼らの準備する悪戯が、キャリーや彼女の新しい友達にどのような影響を及ぼすのか、緊張感が高まります。

プロムパーティーの惨劇

プロム当日、キャリーは自作のドレスを着てパーティーに参加します。自信に満ちた彼女は、トミーとの時間を楽しむ中、付き添いの友人たちと共に幸せなひとときを過ごします。しかし、クリスの計画通り、キャリーは彼女に対する悪戯の犠牲者となります。天井から血が降り注ぐ惨劇に見舞われたキャリーは、精神的に崩壊し、秘めていた超能力を発揮することになります。この瞬間、彼女は今までの屈辱を晴らし、いじめっ子たちに対して無慈悲な復讐を果たします。

結末では、キャリーは自宅に帰り、母親からの過剰な干渉を受け、さらなる恐怖が待ち受けています。母親はキャリーを「汚れた娘」と名指しし、命を狙うという狂気に陥りますが、キャリーの超能力が家を崩壊させる事態に発展します。

続編とリメイク

本作の成功を受けて、1999年には続編『キャリー2』（原題: The Rage: Carrie 2）が公開されました。また、2013年にはリメイク版が登場し、クロエ・グレース・モレッツがキャリー役を演じ、母親役はジュリアン・ムーアが務めるなど、新たな解釈が加えられました。

本作は、その心理描写と超自然的な要素が見事に融合した作品として、多くの視聴者に恐怖を与え、映画史に名を刻む名作となっています。

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