プロム

プロムについて

プロム（英: prom）は、主にアメリカ・イギリス・カナダの高校で行われるフォーマルなダンスパーティーで、特に卒業年の生徒たちにとって重要なイベントとされています。この舞踏会は、学年の最後に位置する「シニア・プロム」と呼ばれるものがあり、通常は高校卒業を祝う内容となっています。また、最後から二番目の年次に行われる「ジュニア・プロム」も存在しますが、高校1年生から2年生への進級時にはプロムは行われません。

参加者とそのスタイル

プロムへの参加は原則として男女のペアが求められますが、参加相手は級友でなくても構いません。上級生や下級生、卒業生なども可能で、学校外の友人を誘うことも許容されています。ただし、参加は必須ではないため、相手が見つからない生徒が参加しないことも一般的です。また、男子が女子を誘う形が一般的であり、パートナーを見つけることがプレッシャーとなることもあります。

衣装に関しては、男子は通常タキシードを着用し、派手なカマーバンドや蝶ネクタイを選ぶことが多いです。女子は美しいドレスやガウンを着用し、ネイルアートもそのファッションの一部として楽しまれます。アメリカではドレスカタログが売られていて、女子にとってのドレス選びは特に重要な行事の一つとなっています。男子は女子に花の飾りやブーケを贈る習慣があります。

プロムの内容と雰囲気

プロムは大多数の場合、午後または夜に開催され、ダンス、食事、おしゃべりが中心のイベントです。会場は学校の体育館が一般的ですが、都市部ではホテルを借りたり、リムジンでの移動を楽しむこともあります。会場ではロックバンドやDJによる音楽が流れ、ヒップホップも人気の選曲となります。また、ダンスの後には参加者による投票で「キング」と「クイーン」が選出されることが多いです。

保護者もイベントの準備や後片付けに関わることが一般的で、これは生徒たちの飲酒や薬物、性的な問題を避けるためでもあります。プロム終了後には「ポスト・プロム」や「アフター・プロム」と呼ばれるカジュアルな二次会が行われることがあり、これは公式の行事ではないため、参加者は自由な服装で参加します。

アンチ・プロム

公式のプロムが持つフォーマルなスタイルや人気者が目立つことに反発を感じる生徒たちの中には、「アンチ・プロム」が開催されることがあります。これは公式のプロムに対するボイコットの一環として生徒たち自身が非公式にダンスイベントを企画するもので、より自由なスタイルで楽しむことができます。少人数で友人と楽しんだり、特定のテーマに基づいて集まったりすることも可能です。また、宗教的な理由でプロムに参加しない生徒もいます。

日本におけるプロムの現状

日本では、高校や大学でのプロムは非常に稀です。これは、日本の文化では男女の身体的接触に対する慎重さやダンスの価値観が影響していると考えられています。近年では、社会人向けのダンスパーティーが活発に行われてきており、例えば「シャルウィダンス東京」のような初心者向けイベントが人気です。

プロムが登場するメディア

プロムは多くのアメリカの青春映画やテレビドラマにおいて重要なイベントとして描かれてきました。作品の中では、プロムの準備や参加を通じてキャラクターの成長や人間関係の変化が描かれています。代表的な作品には『キャリー』や『グリース』、『ハイスクール・ミュージカル』などがあります。また、近年の作品でも依然としてプロムは重要なシーンの一部となっています。

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