キャンプ・フォスター

キャンプ・フォスター（キャンプ瑞慶覧）とは

キャンプ・フォスター、またはキャンプ瑞慶覧は、沖縄本島中部の沖縄市、宜野湾市、北谷町、北中城村にまたがる広大な米軍基地です。在日米軍海兵隊の沖縄における中枢機能を有し、基地運営、射撃場や訓練場などの施設管理を担う後方支援部隊と実戦部隊が駐留しています。

概要

基地の名称は、沖縄戦で戦死したウィリアム・アドルバート・フォスター海兵隊一等兵に由来します。キャンプ・コートニーと並ぶ海兵隊の中枢基地であり、司令部機能に加え、宿舎、補助飛行場、通信所、管理事務所など、多岐にわたる施設を有しています。

主要データ:
面積: 約5,341,000㎡（2020年現在）
管理部隊: 海兵隊キャンプ・バトラー基地司令部
使用部隊: 米海兵隊太平洋基地司令部、第3海兵遠征軍など
年間賃借料: 8,538百万円
駐留軍従業員数: 2,404人

基地内のゾーン

キャンプ瑞慶覧は、いくつかのゾーンに分けることができます。

1. バトラー地区: 在沖海兵隊基地司令部が置かれ、バトラー司令部、第1海兵航空団司令部などが所在。沖縄四軍調整官もここにいます。
2. バックナー地区: 米陸軍第58信号大隊が置かれ、衛星通信用のレドームが特徴的です。
3. プラザ地区: プラザ住宅地区として知られ、沖縄自動車道を挟んでロウワーとアッパーに分かれています。ロウワー地区は返還計画が進んでいます。
4. フォスター地区: 兵器整備施設や隊舎の他、生活に必要な施設が充実しており、一つの街のようになっています。

飛行場

かつて基地内には2つの小飛行場が存在しました。

ハンビー飛行場: 1945年に建設され、1981年に返還されました。
瑞慶覧飛行場: ハンビー飛行場近くにあり、1950年代まで使用されていました。

歴史

1945年: 沖縄戦で米軍が占領。
1972年: キャンプ瑞慶覧（陸軍）とキャンプフォスター（海兵隊）が統合。
1975年: 陸軍から海兵隊に移管され、キャンプ・フォスターに名称統一。
2015年: 西普天間住宅地区の一部が返還。
2020年: 北谷城跡を含む一部が返還。

地理

沖縄本島中部に位置し、北谷町、北中城村、宜野湾市、沖縄市、うるま市にまたがる広大な面積を有します。

返還計画

一部地区の返還計画が進められており、2015年以降、西普天間住宅地区や施設技術部地区の一部が返還されています。今後は、北谷町インダストリアル・コリドー地区、北中城村ロウワー・プラザ地区などの返還が予定されています。

強制接収と返還への道のり

沖縄戦後、米軍は軍用地を拡張するため、1953年に「土地収用令」を公布し、宜野湾市伊佐浜の土地を強制接収しました。この際、住民は抵抗しましたが、家屋は破壊され、土地は接収されました。一方、北谷町では、町土の大部分を米軍用地に接収されていましたが、1981年にハンビー飛行場とメイモスカラー射撃場が返還され、返還跡地は商業施設や公園として整備されています。

各返還地の状況

ハンビー飛行場: 返還後、アラハ海浜公園や商業施設が建設され、経済効果を生み出しました。
メイモスカラー射撃場: 返還後、美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジが建設され、観光地として発展しました。
泡瀬ゴルフ場: 2010年に返還され、跡地にイオンモール沖縄ライカムや中部徳洲会病院が建設されました。
西普天間住宅地区: 2015年に返還され、跡地の活用が進められています。この地からは100年前の普天間旧道跡が発見されました。
施設技術部地区の一部: 北谷城跡を含むエリアで、2020年に返還されました。
ロウワー・プラザ住宅地区: 2024年から緑地広場として共同利用が開始されました。

毒物汚染問題

キャンプ瑞慶覧では過去に、殺虫剤の流出、ドラム缶に入ったタール状物質の発見、アスベストや鉛などの環境汚染が確認されています。

まとめ

キャンプ・フォスターは、沖縄における米軍の重要な拠点であり、その歴史は、沖縄の基地問題と深く関わっています。一部返還は進められていますが、基地の存在は、地域社会に大きな影響を与え続けています。

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