キャンプ・コートニー

キャンプ・コートニー：沖縄のアメリカ海兵隊拠点

キャンプ・コートニーは、沖縄県うるま市に位置するアメリカ海兵隊の重要な駐屯地です。この基地には、第3海兵遠征軍（III MEF）と第3海兵師団の司令部が置かれており、沖縄における海兵隊の活動を統括する中枢拠点となっています。

歴史

1956年1月、神奈川県横須賀市のキャンプ・マクギルから第3海兵遠征軍司令部が沖縄に移駐した際、うるま市天願の土地が接収され、キャンプ・コートニーが開設されました。基地の名称は、沖縄戦の激戦地であるシュガーローフの戦いで戦死し、名誉勲章を受章したヘンリー・A・コートニー海兵隊少佐にちなんでいます。

当初は「キャンプ天願」と呼ばれていましたが、その設立当初から多くの私有地が基地として使用されてきました。駐留初期の兵舎は、コンセント・ハット、ニッセン・ハット、バトラー・ビルディングという名称で呼ばれており、木製のハリケーンシャッターが備えられていました。これは沖縄に頻繁に襲来する台風から建物を守るためでした。最初に配置された部隊は、司令部大隊、師団軍楽隊、トラック大隊でした。

地理と構成

キャンプ・コートニーは、沖縄本島の東海岸、うるま市天願の北側に位置し、金武湾に面しています。基地は3つの区域に分かれており、それぞれ異なる機能を持っています。

本部区域：第3海兵遠征軍司令部と第3海兵師団司令部が置かれ、司令部ビルや宿舎、娯楽施設が集まっています。
REX区域：かつてライコムエクスチェンジの倉庫地区があった場所で、現在はコミュニティー施設として利用されています。
南部区域：かつて「キャンプ天願」と呼ばれた場所で、米軍家族住宅が建設されています。

基地の周辺には、天願桟橋や陸軍貯油施設、キャンプ・マクトリアスなどが隣接しています。

基地内の施設

キャンプ・コートニーには、司令部機能に加え、ヘリパッド、礼砲台、将校クラブ、管理事務所、下士官宿舎、補給倉庫、車両修理工場、食堂、家族住宅、売店、劇場、スケートリンクなど、様々な施設があります。また、基地内には「テンガン・キャッスル」という厚生施設があり、スポーツセンターやセレモニー会場、バー、レストランとして利用されています。

遺構と遺跡

基地内には、天願城や天願貝塚など、多くの歴史的な遺構や遺跡が存在しますが、米軍の管理下にあるため、調査や保存が行われていないのが現状です。天願城は土グスクとも呼ばれ、天願貝塚は縄文時代後期の貝塚です。また、霊化森には日本軍の陣地壕があったとされています。

提供水域

キャンプ・コートニーには、第1水域と第2水域の2つの提供水域があります。第1水域は施設保安のために使用され、第2水域では水陸両用戦の訓練が行われます。ただし、第2水域での実弾射撃は禁止されています。また、過去にはクレー射撃場から鉛弾が堆積している問題が指摘されたこともあります。

事件と事故

過去には、米軍の水タンク破裂事故や、強制わいせつ未遂事件が発生し、日米地位協定や治外法権に関する議論を呼んだこともあります。

訓練とイベント

キャンプ・コートニーでは、化学兵器、生物兵器、放射線、核兵器（CBRN）訓練が実施されています。また、毎年クリスマスシーズンには「Camp Courtney Christmas Fest」が開催され、地域住民との交流も図られています。

基地の現状

キャンプ・コートニーは、沖縄に駐留する海兵隊の中枢機能を担っており、多くの米兵が勤務しています。基地の一部は返還されましたが、その多くは米軍基地として現在も利用されています。

キャンプ・コートニーは、沖縄の歴史とアメリカ軍の存在が交錯する場所であり、その動向は沖縄の未来にも大きく影響を与えています。

基本情報

総面積：1,339千m2 (内私有地：1,276千m2)
提供水域面積：1.47km2
地主数：1,052人（2019年現在）
年間賃借料：139,400万円（2018年度実績）
駐留軍従業員数：311人
管理部隊：在沖米海兵隊基地司令部
使用部隊：第3海兵遠征軍司令部、第3海兵遠征軍本部役務中隊、第31海兵遠征部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵師団司令部大隊

年表

1945年：米陸軍が物資集積や兵舎として接収。
1956年1月：神奈川県横須賀市から第3海兵遠征軍司令部が移駐。
1958年：米在沖海兵隊基地として使用開始。
1961年5月：近隣でヘリコプター墜落事故が発生。
1965年10月：海兵隊司令部がキャンプ・マクトリアスから移転。
1969年11月：海兵隊司令部がキャンプ・マクトリアスへ再移転。
1971年6月30日：約396,000平方メートルを返還。
1974年5月：返還された一部を海上自衛隊具志川送信所として使用開始。
1974年5月31日：採石場用地として約52000平方メートルを返還。
1983年10月31日：南側の敷地294,600平方メートルを返還。
2006年1月31日：道路用地約9,000平方メートルを返還。

関連項目

沖縄の米軍基地
キャンプ・フォスター
第3海兵師団

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