キャンプ・ブーン

キャンプ・ブーン（Camp Boone）

キャンプ・ブーンは、沖縄県宜野湾市宇地泊に位置していた米軍基地です。施設番号はFAC6053で、牧港J地区（Machinato J Area）とも呼ばれていました。この基地は、沖縄戦後の米軍による占領下で建設され、主に基地の治安維持や保全を目的とした施設が集約されていました。

概要

沖縄戦中から、米軍は工兵隊を大規模に導入し、占領地で基地建設を始めました。前線で戦い、生き残った住民は民間人収容所に収容され、その間に基地建設が急速に進められました。普天間飛行場の周辺では、西側の真志喜地域も接収され、キャンプ・マーシーが設置されました。そこには、陸軍病院、獣医センター、米兵家族のための小学校などが建設されました。

さらに、牧港湾の宇地泊にはキャンプ・ブーンが設立され、憲兵隊司令部、陸軍中央パス発行所、野外集積場、陸軍民間人事部などが置かれました。これらの施設は、主に基地の治安維持、保全を目的としていました。

キャンプ・ブーンは、宜野湾市宇地泊に位置し、面積は約151,000㎡でした。現在のガジュマル児童公園付近には、南部警備大隊が配置されていました。

歴史

1945年: 海軍建築大隊が、日本軍によって破壊された橋を「魔法の箱」を使って浮橋として再建しました。
1957年5月24日: キャンプ・ブーンのビルT-55にはガス室があり、毒ガスなどの実戦を想定した訓練が、伊佐浜、泡瀬、普天間、ボロー・ポイント、読谷、与那原、松田レンジ、栄野比、宜野座、漢那、金武、喜瀬武原、屋嘉、ギンバル、北部訓練場などで行われていたことが記録されています。
1969年10月31日: キャンプ・ブーンの一部、約2,000㎡が返還されました。
1972年5月15日: 沖縄返還協定により、学校、倉庫、事務所としてキャンプ・ブーンが提供されました。
1974年12月10日: キャンプ・ブーンが全面返還され、宅地整備事業によって住宅や公園が整備される計画が進められました。
1977年1月10日: 跡地に新設中学校を建設することが決定しました。
1978年1月1日: 宜野湾市立真志喜中学校が開校しました。
1978年7月30日: 米軍占領下の道路右側通行から、返還後の左側通行への変更（通称ナナサンマル）に先立ち、県内の公共交通機関であるバスも左ハンドル、右乗降口への変更が必要となりました。そのため、1,019台の新車が用意され、そのうち944台が5月頃からキャンプ・ブーン跡地に保管されました。7月30日の前日深夜には、これらの新車が一斉に那覇バスターミナルに移管され、入れ替わりに右乗降口の旧車両（729バス）が保管されました。

大謝名特飲街

キャンプ・ブーンの南側は国道58号線に隣接し、大謝名交差点を中心に、東側にはキャンプ・マーシー、南側には普天間基地があり、周辺には大謝名特飲街が形成されていました。

キャンプ・ブーン内の遺跡群

キャンプ・ブーンの周辺には、以下の遺跡群が存在します。

宇地泊西原丘陵古墳群
マヤーガマ
龍宮神の拝所
ナークガマ
ヒートゥージーとヒートゥーモー
ウグゥワンシー山

詳細は、宇地泊歴史文化マップを参照してください。

参考項目

沖縄の米軍基地
戦前の宇地泊

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