キャンプ・マーシー

キャンプ・マーシー（Camp Mercy）

キャンプ・マーシー、または「牧港H地区」(Machinato H Area)は、沖縄県宜野湾市に位置していた米軍基地です。普天間基地の西側に隣接し、施設番号はFAC6052でした。

概要

沖縄戦後、米軍は占領地域に大規模な工兵隊を導入し、基地建設を始めました。前線で戦った住民は民間人収容所に収容され、米軍は圧倒的な速度と物量で基地建設を進めました。

普天間飛行場の周辺では、西側の真志喜地域も接収してキャンプ・マーシーが設置され、陸軍病院、獣医センター、米兵家族の小学校などが建設されました。さらに、牧港湾の宇地泊にはキャンプ・ブーンが設立され、憲兵隊司令部、陸軍中央パス発行所、野外集積場、陸軍民間人事部などが置かれました。これらの施設は、主に基地の治安維持と保全を目的としていました。

キャンプ・マーシーの詳細

キャンプ・マーシーは、1945年の沖縄戦終結後から継続して使用されました。1959年の地図には、普天間飛行場の西側に国道1号線を挟んで二箇所に分かれて存在していたことが示されています。陸軍医療事務部隊の管理下に置かれ、獣医センター、小学校、ORE本部など92棟の建物と、バレーボールコートなどの施設32件が建設されました。

施設概要

場所: 宜野湾市真志喜
面積: 約364,200㎡
主な施設:
陸軍病院（現在の沖縄米海軍病院）
米軍マーシー小学校
ORE (Okinawa Regional Exchange) 本部
獣医センター

返還の経緯

1974年12月20日: 62,000㎡が返還
1976年3月31日: 全面返還

沖縄米海軍病院

最初の沖縄米海軍病院は、キャンプ・マーシーのコンセットが並ぶ地区に陸軍病院として建設されました。1958年には、現在のアメリカンビレッジの向かいにあるキャンプ桑江（キャンプ・レスター）に移転しました。太平洋全域で活動する米軍兵士に治療を提供し、ベトナム戦争最盛期には最大700床まで拡張されました。2013年3月には、キャンプ桑江から現在のキャンプ瑞慶覧（キャンプフォスター）に移転しました。1977年2月28日には、米軍病院沖縄が米海軍に移管されました。

返還と跡地開発

1976年3月31日、キャンプ・マーシーの機能はキャンプ桑江に移転され、全面返還されました。この地域は、国道58号線から海岸線に位置し、現在は真志喜地区土地区画整理事業が完了しています。沖縄コンベンションセンターなどのコンベンションエリアと連携し、宜野湾市の都市機能の中枢を担っています。

関連項目

沖縄の米軍基地

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