キヤノンアネルバ

キヤノンアネルバ株式会社：真空技術を駆使する精密機器メーカー

キヤノンアネルバ株式会社は、真空技術と成膜加工技術を基盤とする精密機器メーカーです。真空薄膜製造装置や、それらに不可欠な真空コンポーネントの開発、製造、販売、そして保守サービスまでを一貫して提供しています。現在キヤノンの子会社として知られていますが、その歴史はNECグループにまで遡ります。

社名「アネルバ」の由来

ユニークな社名「アネルバ (ANELVA)」は、創業時の技術と事業内容を表す造語です。「AN」は「Analysis（分析技術）」、「EL」は「Electronics（電子技術）」、「VA」は「Vacuum（真空技術）」の頭文字を取ったものです。これら3つの技術が同社の事業の根幹をなしていることを端的に示しています。

50年を超える歴史と発展

1967年、日本電気株式会社とアメリカのバリアン社による合弁事業として「日電バリアン株式会社」が設立されました。東京都港区麻布に本社を置き、真空技術に関する事業をスタートしました。その後、1975年には本社を府中工場に移転。1977年にはバリアン社との合弁契約を解消し、1979年には「日電アネルバ株式会社」へと社名変更を行いました。

1980年代には、富士工場を開設し、関連会社である日電アネルバエンジニアリング株式会社を設立するなど、事業の拡大と組織体制の強化を進めています。1990年代には、静岡アネルバ株式会社を設立、富士第三工場が竣工し、ISO 9001認証を取得するなど、品質管理体制の構築にも力を入れてきました。また、事業部制の導入や社名変更を経て、アネルバ株式会社へと成長していきます。

1990年代後半には、ISO 14001認証を取得し、環境問題への取り組みも本格化させました。そして2005年、キヤノン株式会社が日本電気から全株式を取得し、キヤノンアネルバ株式会社へと社名が変更され、キヤノングループの一員となりました。これに伴い、関連会社もキヤノンアネルバエンジニアリング株式会社、キヤノンアネルバテクニクス株式会社と社名変更されました。その後、これら子会社を合併するなど、組織再編を進めながら、現在に至っています。2017年には創立50周年を迎えました。

多様な産業への貢献

キヤノンアネルバ株式会社は、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、太陽電池製造装置など、最先端技術を必要とする幅広い産業分野に真空薄膜製造装置や関連製品を提供しています。高度な技術力と信頼性を背景に、これらの分野における技術革新に貢献しています。

未来への展望

キヤノンアネルバ株式会社は、今後も真空技術の更なる進化と応用を通じて、産業の発展に貢献していくと同時に、地球環境問題への配慮も欠かさず、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されています。長年に渡る経験と技術を活かし、常に時代のニーズに対応した製品とサービスを提供することで、未来を切り開いていくことでしょう。

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