キュタヒヤ

キュタヒヤ：歴史と陶器の街

キュタヒヤは、トルコ中西部に位置する都市であり、キュタヒヤ県の県都です。2007年の時点で人口は約21万3000人を数え、周辺都市としては、北東にエスキシェヒル、北西にブルサ、南西にウシャクなどが位置しています。

古代から続く歴史

キュタヒヤの歴史は古く、古代には「コティアエウム」と呼ばれていました。これは「女神コテュスの都市」を意味し、当時から内陸の交易路における重要な拠点として繁栄していました。ローマ帝国や東ローマ帝国の支配下を経て、11世紀後半からはセルジューク朝の支配を受けました。その後、十字軍の進出やセルジューク朝の分裂といった歴史的な変動を経て、15世紀からはオスマン帝国の支配下に入りました。

1833年には、この地で重要な歴史的出来事がありました。それは、第一次エジプト・トルコ戦争の和平条約であるキュタヒヤ条約が締結されたことです。この条約により、オスマン帝国はエジプトのムハンマド・アリーに対して、シリアなどの統治を認めることとなりました。また、ハンガリーの政治家コシュート・ラヨシュがオスマン帝国に亡命生活を送った地としても知られています。

陶器の街としてのキュタヒヤ

キュタヒヤは、特に製陶業が盛んなことで有名です。トルコ国内における陶器生産の中心的な都市として、その名を知られています。キュタヒヤの陶器は、その美しい装飾と高い品質で国内外から評価されています。市内の多くの工房では、伝統的な技法を守りながら、現代のニーズに合わせた陶器が制作されています。街を訪れると、陶器の製造工程を見学したり、美しい陶器製品を購入したりすることができます。

キュタヒヤの魅力

キュタヒヤは、豊かな歴史と文化を持つ都市です。古代からの遺跡や、オスマン帝国時代の建造物など、歴史を感じさせるスポットが数多く残されています。また、陶器産業が盛んなため、街の至る所で美しい陶器を目にすることができます。伝統的なトルコ料理や、地元の人々の温かいおもてなしも、キュタヒヤの大きな魅力です。歴史と文化、そして陶器の魅力を満喫できるキュタヒヤは、訪れる人々を魅了し続けています。

キュタヒヤは、多様な文化が交錯するトルコの中でも、独自の魅力を持つ都市です。その長い歴史と、陶器を中心とした産業が、この街のアイデンティティを形成しています。訪れる人々は、この地で過去と現在が交わる独特の雰囲気を感じることができるでしょう。


[外部リンク]
* キュタヒヤの公式サイト（トルコ語）

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