キューガーデン駅 (LIRR)

キューガーデン駅

キューガーデン駅（英: Kew Gardens）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州クイーンズ区に位置するロングアイランド鉄道（LIRR）本線の駅です。具体的には、キューガーデン地区のオースティン・ストリートとレファーツ・ブルーバードの交差地点に設けられています。この駅周辺の特徴的な構造物として、119丁目（レファーツ・ブルーバード）にかかる橋があり、その両脇には地元企業が軒を連ねる1階建ての商業施設が設けられています。

路線構造を見ると、LIRR本線はこの区間で合計4本の線路を持っています。しかし、駅にホームが設けられているのは外側の二つの線路のみです。中央を走る残りの二つの線路は、急行列車がノンストップで通過するために使用され、これらの線路にはホームは接していません。

歴史

この駅の歴史は古く、最初は「メイプル・グローブ」駅として1879年5月に開業しました（開業日には12月6日説もあります）。開業当初は、近隣のメイプル・グローブ墓地への利用者のために、列車が必要に応じて停車する形式でした。一度は1882年に閉鎖されましたが、翌1883年には再び営業を開始しています。その後、線路の再配置計画に伴い、駅は移設されることになりました。1909年に移動工事が始まり、1910年9月8日には旧位置から南へ約600フィート（約180メートル）離れた場所に移転しました。元の駅施設はその後完全に撤去されました。そして、1912年に駅名は現在の「キューガーデン」に改称されました。

キューガーデン駅は、ロングアイランド鉄道の歴史における最も悲惨な出来事の舞台となった場所という側面も持ち合わせています。1950年11月22日には、ロングアイランド鉄道の通勤列車同士が衝突するという大事故が発生し、79名が犠牲となり、多数の負傷者を出しました。これはLIRR史上最悪の鉄道事故であり、ニューヨーク州全体で見ても極めて深刻な事故の一つです。この事故は、その9ヶ月前の1950年2月17日にロックビル・センターで発生し32名が死亡した衝突事故に続くものでした。また、1964年に発生し社会的に大きな影響を与えたキティ・ジェノヴィーズ事件の現場もこの駅付近であり、特にジェノヴィーズ氏が殺害される直前まで利用していた駅の駐車場が関連する場所として知られています。

ホープデール駅

現在のキューガーデン駅（旧メイプル・グローブ駅）の西側には、かつて「ホープデール」という名前の駅が存在しました。この駅は1875年10月または11月にユニオン・ターンパイク沿いに開設されたとされています。しかし、LIRRの複線化工事が進められたことや、メイプル・グローブ駅との距離が非常に近かったことから、1884年4月28日に閉鎖されました。駅舎はその後移築され、個人宅として再利用されたと言われています。

駅構造

キューガーデン駅は、高床式の相対式ホームを二つ備えています。これらのホームは、それぞれ最大で4両編成の列車に対応可能な有効長を持っています。このため、当駅に停車する列車は通常、先頭から4両目までの車両のみで乗客の乗降を行います。北側に位置するホームは、3番線に隣接しており、主に西方向、すなわちマンハッタン方面へ向かう列車が使用します。一方、南側のホームは4番線に隣接しており、主に東方向、市外へ向かう列車が使用します。ただし、ロングアイランド鉄道の多くの列車は当駅には停車せず、通過していきます。

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