キューバ・ペソ

キューバ・ペソの概要

キューバ・ペソ（Peso cubano）は、キューバで流通する貨幣単位であり、国際通貨コードはCUPです。通称「カップ」とも呼ばれ、補助通貨としてセンターボが存在します（1ペソは100センターボ相当）。

二重通貨制度の導入

1994年から、キューバでは外貨兌換券とも密接に関連した二重通貨制度が導入されました。この制度では、外貨を持つ外国人には「兌換ペソ」が使用され、国内の市民には「人民ペソ」に相当する通貨が提供されていました。しかし、この制度は2021年1月1日に兌換ペソが廃止されたことにより、約25年ぶりにキューバの通貨は人民ペソのみとなりました。

兌換ペソの廃止とその影響

兌換ペソの廃止により、キューバの経済状況は大きく変化することが予想されます。兌換ペソの導入当初、1兌換ペソは24人民ペソと等価があったものの、逆に人民ペソから兌換ペソに両替する際は、25人民ペソが必要でした。また、国営企業に対しては両通貨が等価と見なされるため、実際の取引においては複雑な為替制度が機能していました。このような制度は、物価の安定性や通貨の信頼性にも影響を及ぼす要因となっていたと言えます。

キューバ・ペソの流通

キューバ国内では、各種の硬貨と紙幣が流通しています。硬貨には1、2、5、20センターボがあり、さらに1ペソおよび3ペソの硬貨も使用されます。紙幣は、1、3、5、10、20、50、100、200、500、1000ペソの多様な種類があります。その中でも、1ペソ紙幣には国民的英雄ホセ・マルティが描かれており、3ペソ紙幣には革命の象徴であるチェ・ゲバラの姿があります。また、20ペソはカミロ・シエンフェゴス、50ペソにはカリスト・ガルシア、100ペソにはカルロス・マヌエル・デ・セスペデスが印刷されています。これらの人物は、それぞれキューバの独立や革命に寄与した重要な歴史的人物です。

両替の手段

キューバでは、人民ペソと兌換ペソの両替は、主に両替所（CADECA）や銀行を通じて行われます。こうした制度の下で、現地の通貨の流通がどのように機能しているのか、経済の動きに大きな影響を与えています。キューバの通貨に対する理解は、国の経済状況や旅行者がどのように行動するのかにも寄与するポイントとなります。

このように、キューバ・ペソは単なる通貨以上の存在であり、キューバの経済、政治、文化と密接に関連しています。これからのキューバでの通貨の位置づけや、経済の動向についても注目が集まります。

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