キューバ共和国 (1902年-1959年)

1902年から1959年にかけてのキューバ共和国（スペイン語: República de Cuba）は、同国がスペインからの独立を果たした後、現在の社会主義体制へと移行するまでの約60年間を指します。この時代は、外部からの影響や国内の政治的混乱、そして度重なる権力交代を経験した激動期でした。

1902年に正式にスペインから独立を宣言したキューバは、独自の政府を樹立しました。この初期（1902年から1933年頃まで）には、新たな国家体制の構築が進められましたが、独立後間もない1906年から1909年にかけて政治的混乱を理由にアメリカ軍による一時的な占領を受けるなど、隣国アメリカ合衆国からの強い影響下に置かれました。

初期政府は多くの政治課題に直面し、その後の数十年間も政情不安が続きました。短期間での政権交代や非民主的な手段による権力掌握が繰り返されました。

特に後期の1952年には、フルヘンシオ・バティスタがクーデターで権力を掌握し、軍事独裁政権を樹立しました。バティスタ政権下では腐敗が進み、社会的な不満が高まりました。

バティスタ独裁に対し、国内では反体制運動が高まりました。1953年にフィデル・カストロらがモンカダ兵営を襲撃したことを契機に、キューバ革命が始まりました。カストロ率いる革命勢力はゲリラ戦を展開し、国民の支持を広げながらバティスタ政権への抵抗を続けました。

長期にわたる革命闘争の末、1959年1月1日にバティスタ大統領は亡命、軍事独裁政権は崩壊しました。革命を成功させたフィデル・カストロは新たな政府を樹立し、キューバの体制は大きく変革されることになります。

カストロ新政府は急進的な改革を進め、アメリカとの関係は悪化しました。革命成功から約2年後の1961年頃、キューバはマルクス・レーニン主義に基づく社会主義国家へと移行し、現在の政治体制が確立されました。これにより、1902年からのキューバ共和国の時代は終焉を迎え、新たな国家体制へと移行しました。この期間は、キューバが独立後の国家像を模索し続けた重要な歴史的時期と言えます。

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