フルヘンシオ・バティスタ

フルヘンシオ・バティスタの生涯

フルヘンシオ・バティスタ・イ・サルディバル（Fulgencio Batista y Zaldivar）は、1901年1月16日にキューバのバネスに生まれました。彼の出自はムラート、中国人、先住民の混血と考えられ、教育を受けた後、1921年からキューバ軍に加わります。バティスタは、軍人としてのキャリアを積み、「軍曹の反乱」と呼ばれる1933年のクーデターを主導しました。このクーデターでは、彼が支持するラモン・グラウ・サンマルティンが大統領に就任し、バティスタは軍政の要職に就くことになります。

軍歴と政権掌握

バティスタの軍歴は彼の政治活動に強い影響を与えました。彼は1936年に大統領に就任するミゲル・マリアノ・ゴメス・アリアスの下で国防相として政権の実権を握ります。その後、バティスタは共産党を合法化しつつ対立政党と連携を築きましたが、1939年の選挙では野党に敗北し、アメリカに亡命しました。

しかし、1940年に再び政界に戻り、バティスタは大統領選に立候補し当選します。彼は数年間、キューバの政治を掌握しましたが、1944年の総選挙で敗れ、その結果再びアメリカに逃れることになります。

独裁制とクーデター

バティスタは1948年に帰国し、再び政界に復帰します。彼の復帰と同時に、彼は軍事クーデターを企て、1952年にカルロス・プリオ・ソカラス大統領を辞任に追い込み、自らが大統領に就任します。以降、バティスタは私利を優先し、アメリカ企業との利益を共謀してキューバを搾取していくことになります。

カストロの反乱

このような状況に対抗して、フィデル・カストロは武装勢力を組織し、モンカダ兵営の襲撃を試みましたが失敗。彼は捕らえられ無期懲役を言い渡されますが、後にメキシコに亡命。1956年、カストロは「グランマ号」でキューバに上陸し、反乱運動を展開していきます。彼の運動は民衆の支持を獲得し、勢力を増大させました。

キューバ革命とその後

1958年、バティスタは残された政府の力を振り絞って反抗軍に対抗しようとしますが、次第に政府軍は劣勢に立たされます。彼は1959年に辞任を宣言し、ドミニカ共和国へ亡命します。このころ、カストロの反乱軍がハバナを制圧し、キューバ革命が成功を収めました。

晩年と死

亡命後のバティスタは、かつての支持者から資金を受け取りながら生活を続けますが、再びキューバには戻らず、主にスペインで過ごします。1973年8月6日、彼は心臓病によりマルベーリャ郊外で亡くなりました。彼の墓はマドリードのCementerio Sacramental de San Isidroにあります。バティスタの存在は、キューバの歴史において非常に重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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