キリスト教大事典

キリスト教大事典について

『キリスト教大事典』は、日本キリスト教協議会が企画・刊行を担当した、包括的なキリスト教の辞典です。この事業は、プロテスタントの宣教活動が100年を迎える際に、キリスト教の研究を深めるために設立されました。本書はエキュメニズムの世界神会協議会神学教育委員会からの助成金を受けており、1963年に初版が発表されて以来、改訂新版も数回行われています。近年の改訂では1977年、1988年に新たな版が発行され、最新の知見を取り入れる努力が続けられています。

基本情報

本事典はB5判サイズで、1600ページにわたって、キリスト教に関する多岐にわたるテーマを網羅しています。特に編集陣には、著名な専門家が名を連ねており、編集顧問の石原謙氏や桑田秀延氏が編集委員長を務めました。実務面では、岸千年氏や鈴木光武氏などが重要な役割を果たしています。

編集方針

本書の編集方針は、キリスト教の独自の研究分野を中心に据えつつも、関連項目や教派に固執しない超教派的な視点を保持することです。これは、特定の教派に偏らない情報提供を意図し、東方正教会やカトリック関連の情報も必要に応じて含まれることを意味します。また、現代社会や最新の学問的な成果にも注目し、国際的な視点だけでなく、日本に特化したテーマについても十分な解説がなされています。

コンテンツの構成

『キリスト教大事典』は、小項目主義を採用しており、キリスト教内外の広範な読者にとって利用しやすい構成となっています。重要度に応じて大項目や中項目も設けられており、それぞれの項目は学問的な正確さを重視しつつも、簡潔かつ明瞭な表現を心がけています。脚注の活用により、読者が必要な情報を簡単に見つけられるよう工夫されています。これにより、知識を持たない読者でも理解しやすく、専門家は深く掘り下げた情報を得ることができるバランスが取れています。

まとめ

このように、『キリスト教大事典』はキリスト教に関する知識を広範に提供する貴重な資源です。その超教派的な視点や、学問的成果の重視、そして日本における情報の充実により、キリスト教徒だけでなく、広く一般の人々にとっても、有意義な参照資料となっています。

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